武装無能力者集団
Trick30_仲良しさ
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いた時間稼ぎに協力したが、それでも信乃を後ろから刺した相手を
完全に信じているわけではなく、警戒したまま御坂は聞き返した。
「ああ、今言った通りだ。いや、さっき言った通りというべきかな。
時間が来たから、もう時間稼ぎの必要がないんだ」
「時間稼ぎ・・結局あんたは何がしたかったの?」
宗像は感情のないままで答える。
「調べる時間が欲しかったんだ。うちのボスも取引しているみたいだったけど
尻尾を掴めなかった。だから同じようにビックスパイダーでも取引をしていると
情報があったから、ボスの用事のついでに調べたんだよ」
何を言っているのかさっぱり分からない。
そんな顔を宗像以外の全員がしていた。
「待て宗像! 一体何の事だ!?」
一人だけが宗像の発言に喰いかかっていった。
そう。宗像のボスでさえも宗像の発言を理解していなかったのだ。
「僕たちはある事を調べたかったんだよ。ボスに近付いたのもそのため。
おかしいと思わなかったのか? ただずる賢く銃を売りさばいているだけの
あんたに『雇ってほしい』なんて急に言ってくる正体不明の僕をさ」
「きさま、まさか」
「そのまさか。僕は奴とあんたが取引をしているという情報を手に入れたから
あんたの懐に入って調べていた。残念ながら手掛かりがなかったんで
今日まであんたの周りにいて調べ続けていたんだよ」
「そして、その苦労も終わりだ」
奥の部屋から声が聞こえた。ゆっくりとした足音と共に現れたのは
西折 信乃
背中を刺されて連れて行かれたはずだが、今は何事もなかったように歩いてくる。
「お前、背中に刺さって致命傷のはずじゃあ」
金髪の男が目を見開いて驚く。
「し の にーちゃん」
御坂は信乃を見た瞬間、その場で泣いた。
信乃が死んだと思った時よりも、大量の止まらない涙で。
「きみは嬉しかったら人目もはばからず泣くのかい。
それはとても羨まし感性だね。
いいことだよ」
さっきと同じことを言っているが内容が全く違う宗像。
その顔には優しい頬笑みが浮かんでいた。
「ごめん琴ちゃん。変な芝居してさ」
信乃も謝ってはいるが笑顔で御坂へと微笑んだ。
御坂は駆けだして信乃に抱きついた。そしてそのまま泣き続ける。
「うっ ヒック ん」
「よしよし」
涙が服にしみこんでいったが、信乃は気にせずに御坂の頭を撫でた。
「信乃!」「大丈夫なの!?」「芝居ってなんですの!!」
黒妻、固法、白井が信乃へと駆け寄ってきた。
「私は大丈夫ですからご心配なく。怪我をしましたけど、打ち合わせの内ですから」
「打ち合わせって、
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