第十六話 憤怒の闘争
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「前に議長の前でも言ったよな。殺されたから殺し、殺したから殺されてって―――俺は敵を討つのを躊躇ったことがある。だが、それが原因で死んだ仲間がいて、今でも救えなかったことを後悔してる。だから考えるんだ。今も昔も、いつだって――――――」
シンは押し黙る。なんにせよ助かったことは事実なのだから。その時、後ろから信号弾が上がる。連合の艦からのようだ。連合の主力である三機の内二機が戦闘不能になったことで撤退をした方が良いと判断したのだろう。戦況もこれ以上長引けばアークエンジェルがこちらに牙を向けるかもしれないと思ったのかもしれない。
なんにせよ、戦闘が終わった――――――
◇
今回の戦いで最も利を得たと言えるのはやはり連合だろう。実質的な被害はカオスとガイアが損傷したことのみ。それに対してザフトのミネルバは艦への大きなダメージ、幾つかのMSの損傷、精鋭部隊といえる一機のMSの撃破。オーブの被害を数に入れなければ大戦果だと言える。
しかも、オーブをさらに働かせる脅しのネタは既に得た。
「さて、ユウナ殿?この度の戦闘は色々と厄介なことがおきましたね」
「そ、そうだな。本当に色々なことが起きたものだ……」
オーブの空母であるタケミカヅチのブリッジにて今回の戦闘に対しての話し合いを行う。ネオとしては戦場で使えるものは全て使わせてもらおうという気概だ。
「本当に、オーブの国家元首を語る様な相手が現れた時には驚いたものですよ。まさかオーブには謀反の意志があるのかってね?」
「あ、あるわけないじゃないか!?オ、オーブは連合への誠意を示す為に、これだけの艦隊とMS部隊を用意したんだぞ!冗談じゃない!?」
「ええ、我々としてもその意思はわかっているつもりですよ。ですが、あのようなものが出てくればね……」
アークエンジェルに国家元首のエンブレムをしたストライクルージュが現れたのだ。その結果、連合としてはかなり交渉を優位に進めることが出来、オーブのさらなる協力を取り付けることが出来た。
とはいえ流石は政治家。決定的なまでに使い潰すようなことの出来る言質を得ることは出来なかった。
「では、次回の戦闘でミネルバを撃沈して見せてください。あと万が一、アークエンジェルが再び戦場に現れた場合には―――」
「分かっている!こちらとしても、あれによって被られた被害は大きいんだ。落としても構わないさ!」
まあ、こちらのオーブとの話し合いによる戦果も上々。欲張り過ぎたら元も子もないとばかりに立ち去るのだった。
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