それぞれの過去A
[7/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
。
「どうしてシオン君はいつもそうなの!?自分より他人を優先して、自分のことはお構いなしで行動する。そんなんじゃいつかホントに死んじゃうよ!」
エリーシャの意見は最もだった。しかし、シオンはエリーシャに足りないものを血盟騎士団で手に入れてほしかった。そこでシオンがとった行動が、
「・・・うるせーよ」
「えっ?」
「迷惑なんだよ、その気持ちが・・・」
「シオン・・・」
「俺のこれからの戦いには、お前はかえって足手まといなんだよ・・・」
突き放すという選択だった。
「そんな・・・」
「悪く、思うなよ・・・」
そう言ってシオンはハーモニー本部を出て行き、その後退団、ソロプレーヤーとして生きていった。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
「これが、今から一年半に起きた真実だ」
シオンは話し終えるとアスナは黙ったままだった。
「お気に召したかな?」
「何で、エリーシャちゃんと一緒にいてあげなかったの?」
「言った通り、俺は彼女に足りないものを手に入れて欲しかった。そしてこの前のデュエルで分かったよ。アイツは、エリーは手に入れていたよ」
「何を?」
アスナの問にシオンは親指を立て、それを自分の胸に当てた。
「俺があの時伝えたかったのは“強靭な精神力"。そして悲しみを乗り越えた先に得るもの、“覚悟"だ。これが俺からの最後の教えだ」
「覚悟?」
「アイツにはまだ、覚悟が足りなかった。生きる覚悟。戦う覚悟。そして、死ぬ覚悟。これを教えるためには俺は悪役を演じても構わなかった。アイツが成長するなら俺は自分が傷ついてもよかった」
「でも、それじゃあシオン君が!」
「アスナ!」
そこでキリトが止めた。
「キリト君・・・」
「シオンは、守りたかったんだ。エリーシャをそして、自分の命を落としてまでシオンに未来を託したツバキの思いを。それを分かってくれ・・・」
「でも・・・」
「納得いかないならそのままでいいアスナ」
「シオン君・・・」
「別に後悔はしとらんよ、これが俺の選択なんだから。それに・・・」
シオンは引き出しからあるものを取り出した。それはペンダントだった。そして、中には五人の少年少女の笑顔があった。
「これを取りにもきてたから」
そのペンダントの内側にはこう書かれていた。
《 Giuro amicizia per sempre 》
「これは?」
「イタリア語で『永久の友情を誓う』って意味だ」
「みんな、いい笑顔だね」
アスナのその言葉にシオンは今までどうりの笑顔で答えた。
「だ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ