それぞれの過去A
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して白い空間は崩壊し、先程のシアターに戻った。
ステージに立っていたシオンは視線を宙に向けていた。
『ありがとう、シオン。・・・』
『ッくしょう・・・』
「ッチクショウ・・・」
その目には涙が流れた。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
その日の夜俺は一人、ハーモニーの本部の自分の部屋で黄昏ていた。これからどうすればいいのかなど考えもせずに。
そんな時、俺の元に一通のメールが届いた。
相手はなんとツバキからだった。俺は慌ててクリックすると、一つの宝石のような物が出現した。それをワンクリックするとツバキの声が聞こえた。
『ヤッホー、シオン。これを聞いてるってことは、私はもう死んじゃったわけなんだけども、シオンが寂しくないように、早まって自殺しないようにこれを送ります。』
そこにはいつもの、明るい彼女の声があった。
『まず先に言っとくことは、今までありがとうね。シオンがいなけりゃ私、もっと前に死んでたかも。最初、このゲームが始まった時、すっごく落ち込んでたんだ。でも、シオンたちと出会ってまた頑張ろうって思えるようになった。だからシオンにはこれからも頑張って欲しいの、このゲームをクリアして欲しいの。そして、もう一つお願い。もし、エリーがまだ生きてたら・・・その時は、エリーを守ってあげてね♪それじゃあねシオン、会えてよかった。ありがとう・・・』
そしてツバキがシオンに残した最後の言葉は、
『シオン・・・大好き!愛してます!』
それを最後にメッセージが終了した。聞き終えたシオンの頬には涙が伝っていた。
「ツバキ・・・ありがとう・・・さようなら」
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
翌日、シオンはエリーシャを呼んだ。
「エリー、大事な話がある。聞いてくれ」
「何?」
シオンがエリーシャに言ったのは、
「解散しよう。ハーモニーを」
「えっ・・・」
「お前は、今噂になってるギルド《血盟騎士団》に入れ。あそこなら将来いいギルドになる」
「ちょっと待って!シオン君はどうするの!?」
「俺は・・・ソロになる」
その言葉に当然のことながらエリーシャは猛反対した。
「そんなの危険よ!」
これが当然の反応だった。シオンはこう考えたのだ。エリーシャを自分よりも将来有望そうな血盟騎士団に預け、彼女を安全な場所にいさせようと考えたのだ。これがエリーシャを守るための今考えられる最善の策である
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