それぞれの過去A
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「やめてぇえええええ!!!」
その時、シオンは死を覚悟し、目を閉じた。しかし衝撃がいつになってもこなかった。目を開けるとそこには、
「なっ、そんな・・・」
《The DoomMessenger》によって串刺しになったツバキの姿があった。
「ツバ、キ・・・何で・・・何で・・・?」
刺されていた手は抜かれ、ツバキはいまだに束縛されたままのシオンの体に寄りかかった。
「ツバキ・・・そんな・・・」
シオンは刺されたツバキを見ながらかすれた声で言った。もう彼には戦う意志が無くなっていた。
しかし、
「泣か、ないで・・・シオン」
「ツバキ!」
ツバキは今にも力尽きてしまいそうな声でシオンに呟いた。
「あなたは、こんな、とこで、負けちゃ、いけない・・・。エリーを、守って、あげて・・・」
「ツバキ・・・。お前・・・」
「泣かないでよ。せっかくの、いい顔が、台無しだよ・・・」
「こんな時にまで何言ってんだよ!」
シオンは涙を止めることが出来なかった。自分を心から好きだと言ってくれた人が今にも消えてしまいそうなのだから。シオンはすぐさま回復ポーションを取ろうとしたが、ツバキはそれを止めた。
「ツバキ・・・」
「いいの、私はもう、これで、いいの・・・」
「何で・・・?」
「もう、十分。ありがとう、シオン。・・・」
最後にツバキはなにか何か言ったような気がした。しかし、それは聞こえずにツバキは旅立っていった。
「そんな・・・ツバキ・・・」
「・・・・・・」
エリーシャはその場にしゃがみこんでしまった。シオンはその場で俯いたまま動かない。しかし次の瞬間何かが切れたような感覚がシオンを襲った。
「ウアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
シオンは頭を抱えながらその場にしゃがみこんだ。
《The DoomMessenger》はそんなシオンに向かって再び攻撃しようとした。
「シオン君!」
しかし、その手は届かなかった。
「・・・失せろ。ゴミクズが!」
シオンその時、白銀のオーラと黒い雷を纏って《The DoomMessenger》の胸を一突きした。そのまま吹っ飛んでいき、壁に叩きつけた。
「グォアアアアアアア!!!」
《The DoomMessenger》から悲鳴があがるが、シオンは攻撃の手を緩めない。
「お前が、お前がみんなを!ツバキを!」
それからもシオンの猛攻は止まることがなく、そして《The DoomMessenger》は、ポリゴン片となって散った。そ
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