新生
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くするドニに対し、心底嫌そうな顔をして話す鈴蘭。それを見ながら、護堂は内心で『やっぱりあの金髪は信用出来なかったか』と頷いていた。
「ドニが殺されそうになった所で、睡蓮が戦闘に介入したから、最悪の事態だけは免れたんだけど・・・。その時に、君がまつろわぬナイアーラトテップを弑逆したことを感じ取ったみたいでね?君のことをターゲットにしちゃったみたいで、『次に我と戦う相手は、新しいカンピオーネだ!』って言いながら消えちゃって。」
頭を掻きながら『いや〜困ったね!』などと笑う鈴蘭に、護堂は頭痛を覚えた。なんで、こんなに大きな問題が次から次へと向かってくるのか?
「それって、鈴蘭さんたちが戦うって訳にはいかないんですか?」
一応聞いてみる護堂だったが、鈴蘭は首を横に振った。
「アメリカに、まつろわぬアフーム=ザーが。そしてインドに、まつろわぬルリム・シャイコースが出現しているの。今は大人しくしているんだけど、どちらもクトゥグアの従属神でね。クトゥルフ神話を読んだ限りでは、恐らく超広範囲への攻撃を得意とする神だね。これは恐らく警告。『私と奴の一体一を邪魔したら、コイツら暴れさせるぞ?』って。流石の私たちでも、超広範囲への攻撃を得意とする神に対して、周囲への被害を全く出さずに勝つのは難しいと思うの。」
アフーム=ザーとは、クトゥグアが旧神によってフォーマルハウトに封印された時に産み落とされた邪神だとされる。
その役目は、生みの親であるクトゥグアを封印した、忌まわしき旧神を倒し、クトゥグアを復活させることだ。
このアフーム=ザーは特殊な邪神である。【生ける炎】の異名を持つクトゥグアから産み落とされたにも関わらず、燐光に似た不浄な青白い光を放つ灰色の炎の存在であり、その炎は極寒の冷気を伴うとされている。その冷気は凄まじく、北極、南極のような極地以上の温度。つまり、《炎》の神格を持つ邪神から、それとは正反対の《氷》、《冷気》の神格を持つ邪神が産まれたということなのだ。
この邪神は恐らく、自身の存在する地点から、かなりの広範囲を北極や南極のような極地と同じく氷河で覆うことが出来る神だ。既にアメリカの気温は、氷点下に達しようとしている。ただ、この神が存在するだけでこれなのだ、権能を使用した場合の被害は、語るまでもないだろう。世界経済の中心地とも呼べるアメリカが氷河に覆われたとなれば、世界は大混乱に陥るだろうし、人的被害も計り知れない。アメリカには、カンピオーネであるジョン・プルートー・スミスが居るが、ここまで周囲に影響を与える神が相手では、倒すまでにどれほどの被害が出るか。何せ、原作からみても、周囲を氷河に覆う為の時間は一瞬あれば十分なのだから。例え鈴蘭たちが出向いて、隔離世に閉じ込めようとしたとしても
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