第十五話 会うは別れの始め
[1/5]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
さて、タイトルのような辛気臭い諺から始めるのもどうかと思う。
ならもう一つ別の諺『鳶が鷹を生む』と言う言葉をあげよう。早い話が平凡な両親からすぐれた子が生まれたという意味だ。ナチュラルの両親がコーディネーターを産むのも、ある意味これに当てはまる一例と言えるかもしれない。
そして、クラウ・ハーケンはその言葉に相応しいと言える人間だった。両親は第一世代コーディネーターであり、つまりクラウは第二世代のコーディネーターだ。しかしながら、クラウの両親からしてみてもクラウは天才といえた。若くして大学を飛び級で卒業。オーブにいた頃もモルゲンレーテ社に入社している。転生者故に当然と言えることではあるが、そんなことは本人以外誰も知りはしない。
そして何より、既に鬼籍に入った両親の与り知らぬことではあるが、パイロットとしての技量は異常だった。
「相手してやるよ、フリーダム!」
真っ先にフリーダムに向かったのはオーブ艦隊に突出していたシン達や戸惑っていたアスランではなく、クラウの試作型フライトユニットを装備していたゲルググシュトゥッツァーだった。
『クッ、どいてくれ!』
フリーダムのサーベルをシールドで受け止めた。出力は核搭載MSであるフリーダムが上である以上、押し込まれていく。しかし、そのタイミングを計るかのようにウインチユニットを起動させた。二基のアームが動き、不意を突く様に攻撃を仕掛ける。それはまるで蛇が毒牙を向けんとしているかのようだ。とはいえ、フリーダムはあっさりとそれに対して距離を取って躱し、太陽を背に上からクスィフィアスレール砲でウインチユニットを破壊しようとする。だが―――
「その程度で倒せるなんて、舐めてもらっちゃ困るな!」
回転しながら攻撃を回避し、今度はこちらの番だとばかりにビームサーベルを抜き、斬りかかる。フリーダムは咄嗟にシールドを構え、防ぎきるがパイロットであるキラにとっては安堵することなど出来ない。
『このパイロット、強い!?』
そう、純粋に強い。反射速度や身体的な実力による行動では確実にキラが上だ。だが、それを補って余りある経験とその土台が存在する。
そして、油断ならない相手だと感じ取ったキラはSEEDを覚醒させる。
「ッ―――!?」
油断など一切していない。クラウは長年培った直感でフリーダムのビームサーベルを紙一重に躱す。しかし、連続してキラは反対側、左手からもサーベルを抜出、斬りかかる。
それを見たクラウは咄嗟に右手に持っていたビームサーベルを捨て、ワイヤーカッターで防いだ。
『サーベルを!?』
ワイヤーカッターはビームコーティングをしている為、フリーダムのビームサーベルを防御する事に成功する。
「やはり、パワー負けしているのか……ッ!?」
しかし、ビ
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ