キャリバー編
百二十六話 対牛との戦い
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が、三つで有れば6秒持つ。無論拘束としては短いと言えば短いし、そもそも実際現在進行形でブチブチと水の縄がちぎれ始めているが、しかし、6秒も持てば……
「ゴォォォォォォォオォォォォォオォォォ!?」
「ラス・ローティ──」
突如ズガァァン!!と言う音と共に青白い雷が金色のミノタウロスへと振り落ちた。
風系統 設置型攻撃魔法 《オーラクルム・フルメン》
落ちた雷は金牛の全身を駆け巡り、その身体を焦がす。しかも、その威力は通常の2.5倍である。
風邪系統の発展形である雷の魔法は、水系統の魔法を受けた後に命中させると、威力が1.5倍に上昇すると言う特性が有るが、水系統の魔法を同時に複数受けていた場合、その分だけ上昇すると言う特製の方は実は余り知られていない。
ちなみに今の雷は、天井に設置されていた罠の魔法陣から降り注いだものだ。威力は高いが、魔法陣の真下に三秒以上居なければ効果が発動しないと言う面倒な効果を持つため、拘束系統の魔法と同時に使う必要がある。
しかし、これで終わりでは無い。先程からサチが詠唱している魔法が発動していないからだ。
強烈な雷撃を受けた金色の体は、未だに帯電したままで、虚空をにらんで立ったまま硬直している。時折バリッ、ビリッ、と身体から電撃がほとばしっており、後数秒はこのままだ。そして……
「──フォル・イグヌス」
其処へサチの詠唱が、静かに終了した。サチの周囲で踊っていた文字たちが収束し、表れたのは美しいクリアオレンジの大きめの球体。
それは炎では無く、液体だった。少し粘性の強いそれは、トプンッと音を立てたかと思うと、一直線に金牛へ向かっていく。と、同時に、サチの周囲に有った光の球。一般的に《スフィア》よ呼ばれるそれが、同時に同じようにオレンジ色の液球体に姿を変え金牛に向かっていく。
火系統 特殊攻撃魔法 《リクィドゥム・エールプティオー》
特殊魔法 《マギリング・スフィア》
《マギリング・スフィア》は、連続して唱える事で、その数を増やす事の出来る魔法の球体で、中級以下の攻撃魔法を放った時、それと同時に全く同じ魔法をスフィアの数だけ打ちだす事の出来る魔法だ。
そして今回、それと組み合わせて発射された《リクィドゥム・エールプティオー》は、火属性に属している攻撃魔法だがそれ自体は発火しておらず、威力を持たない。威力を持つのは、この魔法によって作り出されたクリアオレンジの粘性の液体が、一定の発火要因に振れた時。
詰まる所この魔法は、「きわめて強い爆発を引き起こす液体を作りだす」魔法なのである。使ってからワンアクション火種を入れる動作が入る為、魔法としては中級に位置している。
さて、打ちだされたクリアオレンジのそれが、一直線に金牛へ向かっていく。五つ同時にそれが着弾し、直後、再びミ
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