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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第6話:被験体
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し宝石の側に突き立てる。
そして宝石をほじくりだすようにして死体から切り離すと、自分の掌の上に
宝石を乗せた。

「この中にそんな莫大なエネルギーが入ってるなんて・・・」

《そんなものですよ》

レーベンの軽い口調に呆れたのか、ゲオルグは小さくため息をつく。
そのとき、奥の方からゲオルグの方に向かってくる足音が響いてきた。
ゲオルグが目を向けると、フェイトとクリーグが小走りで向かってきていた。

「私たちはだいたい調査を終えたけど、ゲオルグのほうは?」

「僕の方も終わったよ。 それで、フェイトさんの方は何か収穫はあった?」

ゲオルグがそう尋ねると、フェイトは暗い顔でうつむく。

「うん。 この研究所が何をしていたのかはつかめたよ」

「じゃあ、なんでそんなに暗い顔をしてるのさ?」

ゲオルグが首を傾げながら尋ねると、フェイトはちょっとね、と小さく言って
研究所の出口に向かって歩き始める。
フェイトからは何も聞き出せないと判断したゲオルグは、そのあとを追いながら
クリーグに小声で話しかける。

「クリーグ士長。 いったい何を見つけたんですか?」

「すいません。俺もフェイトちゃんの手伝いをしてるだけだったので、
 詳しいことは判りません」

「そうですか・・・」

ゲオルグはそう言うとフェイトの背中を追った。
フェイトに追いつくとその肩に手をかける。
足を止めたフェイトは首から上だけで振り返る。

「なに?」

「奥で何を見つけたのか教えてよ」

「・・・ゴメンね。戻るまで待ってほしいな」

フェイトは小さくそう言うと、目線を前に戻して足早に進み始めた。
ゲオルグは一定の距離を保ってフェイトの背中を追った。


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