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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第6話:被験体
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2人はお互いの顔を見合わせてから首を横に振った。

「よくわからないんです。 いつも通りに仕事をしてたらいきなりものすごい
 音がして、なにがあったんだろうねって2人で話をしてたら、えらい人が
 突然やってきて避難しろって連れだされて、ここに居ろって」

「ということは、別の部屋からここに連れてこられたんですか?」

ゲオルグが尋ねると女性たちがこくんと頷く。

「はい。 これまでこんなところに来たことないです」

「私もです。 こんなところがあるなんて全然知りませんでした」

「そうですか・・・」

ゲオルグは口ぐちに言う女性たちの言葉を聞くと、わずかに表情を曇らせる。

(この人たちは、あんまり研究所の中枢には関わってなかったみたいだな・・・)

「あなたたちはどんな研究に従事してたんですか?」

自分のものではない声で発せられた質問に、ゲオルグはパッと顔を上げる。
そこには厳しい表情で質問するフェイトが立っていた。

「あの・・・、わたし達は研究員じゃないんです」

「えっ!? だって、その白衣・・・」

女性の回答に意外そうな声を上げたフェイトが、わずかに身を乗り出して尋ねる。
女性たちの方はそんなフェイトに気圧されたのか半歩ほど後ずさりつつ、
自分たちが羽織った白衣をつまみあげる。

「これは、一緒に避難してきた男性の研究員の人が寒いだろうからって
 着せてくれたんです」

「その一緒に避難してきた人たちはどうしたんです?」

ゲオルグがフェイトのあとを受けて尋ねると、女性たちは揃って首を横に振った。

「わかりません。 途中まではここで一緒に居たんですけど、途中で外の様子を
 見てくるからって出ていって帰って来ないんです」

「そうですか・・・」

それでは恐らく生きてはいまい。そう思ったゲオルグは暗い表情でうつむく。

「分隊長、この後はどうしますか? そろそろ作戦終了の予定時刻ですが」

ルッツにそう問われゲオルグは顔を上げると、フェイトの肩を軽くたたいた。
肩を落として目線を下に向けていたフェイトは顔を上げた。

「フェイトさん。 この後はどうする?」

「えっ・・・私?」

目を丸くしてそう言うフェイトに向かってゲオルグは頷く。

「ここから先はフェイトさんの専門領域だからね」

「そうだね。ちなみに、ゲオルグはどうしたいの?」

「僕? 僕はもう少しこの研究所について調べたいかな。
 さっき倒したヤツも気になるし」

「そっか・・・私もこの研究所が何をしてたのかは気になるかな」

「じゃあ、もう少し調査を続けようか?」

ゲオルグが訊くとフェイトはこくんと頷いた。

「ですが、こちらのお二方は早め
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