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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第6話:被験体
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あ、もう1体もやるよ」

ゲオルグの声にフェイトは頷く。
2人は猛獣に向かって飛び上がると、先ほどと同じように左右に別れる。
その中央を切り裂くように分隊員たちが放った魔力弾が猛獣に向かって飛んでいく。
猛獣は巨体に似合わぬ俊敏さでほとんどを避けることには成功したものの、
数発をその顔面に食らい動きが鈍くなる。
そのスキを見逃さず、フェイトが攻撃を加える。
だが、その傷は浅く猛獣は激しく暴れる。

「ゲオルグっ!」

「うん!」

通路の高い天井近くまで飛び上がっていたゲオルグはフェイトからの声に応えると、
天井を蹴って猛獣の頭部へと向かう。
猛獣に高速で接近しながらじっと猛獣の顔面を見つめていたゲオルグは、
その額に奇妙な光る物体を発見する。

(あれ? あれって・・・)

ゲオルグは奇妙な既視感にとらわれ、一瞬自失に陥る。

《マスター!》

だが、レーベンの声で我に返ったゲオルグは、そのレーベンを振るい
猛獣の頭蓋に突き刺した。
ゲオルグによって脳を一突きにされた猛獣は瞬時に絶命しドサリとその巨体を
地面に横たえた。

猛獣からレーベンを抜き放ち、地面に降り立ったゲオルグは安堵の息を漏らす。
微笑を浮かべて近づいてきたフェイトと手を合わせ、満面の笑みを浮かべた。

「やったね、ゲオルグ」

「うん。 フェイトさんのおかげだよ」

そしてゲオルグは分隊員たちの方へと歩を向ける。

「みなさんもよくやってくれました。 負傷者はいませんね?」

「はい。 全員無傷です」

そう答えるルッツも笑みを浮かべていた。

「それはよかったです」

そう言ってもう一度にっこりと笑うゲオルグであったが、しばらくして
先ほど覚えた既視感を思い起こし、真剣な表情に戻る。

「分隊長? どうしたのですか?」

「いえ、少し・・・」

急に表情を変えたゲオルグに怪訝な顔をするルッツに対してそう答えると、
ゲオルグは自分が頭部を突き刺した猛獣の亡骸へと歩み寄る。
その額には怪しく光る一粒の宝石のようなものが埋め込まれていた。
それを目にしたゲオルグは、半年前に経験した捜索任務を思いだした。

「これって、ひょっとして」

そう呟いて絶句するゲオルグにフェイトが歩み寄る。

「ゲオルグ、何かあったの?」

「うん・・・。これ見て」

そう言ってゲオルグは宝石を指差す。

「これって・・・。この宝石みたいなのがどうかしたの?」

「実は、これと同じようなものを前に見たことがあるんだ」

「そうなの? それって・・・」

フェイトに問われ半年前の研究所捜索任務とその時に出くわした巨大生物、
そしてその研究所で行われていた研究について話す
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