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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第6話:被験体
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から、よく狙って撃ってください。
 敵の気を引いてもらわなくては、あの猛獣を倒すのは難しいですから」
 
「はいっ! 次は当てます。 任せてください!」

「お願いしますね」

ゲオルグはそう言って眼下の部下たちに向かってニコッと笑うと、
壁を蹴って先ほど斬りつけた方の猛獣に向かって再び飛ぶ。
ゲオルグが分隊の部下と話している間、ゲオルグを弾き飛ばしたもう一体の猛獣と
攻撃の応酬をしていたフェイトがゲオルグの隣にやってきた。

「ゴメンね。 私一人じゃあの獣を倒すのは難しそうだよ」

「大丈夫だよ。 もともと2人で1体を相手にする予定だったんだから。
 さっき僕が傷つけた方なら弱っていると思うからそっちから片付けよう。
 僕は左から行くから、フェイトさんは右からお願い!」

「うん、わかった!」

ゲオルグのフェイトはお互いに頷き合うと、左右に分かれて進む。
ゲオルグが傷を付けた猛獣は、その首からどくどくと血を流しながらも
その巨大な頭をもたげて、接近するゲオルグの方に鋭い眼光を向ける。
その目は怪しく輝きゲオルグの顔をねめつける。
ゲオルグが猛獣に対して左に回り込んで接近すると、猛獣は前足を振り上げ
ゲオルグに向かって振りおろす。

《マスター!》

「判ってる!」

ゲオルグは眼前に迫る猛獣の爪をレーベンで受け止める。

「フェイトさん、攻撃を!」

「うんっ!」

ゲオルグが猛獣の爪を受け止めながらフェイトに声をかけると、
フェイトは大きく頷きながら短く応える。
だが、そのフェイトの後方には無傷の猛獣が迫っていた。

《Sir!》

「大丈夫だよ、バルディッシュ」

バルディッシュからの呼びかけにフェイトは明るい声で応えた。
その直後、何発もの魔力弾が飛来し猛獣の身体に命中する。
猛獣には大したダメージとはなっていないようではあるが、数瞬その動きを
止めたことで、フェイトは傷を負った猛獣への攻撃圏へと飛び込む時間を得た。
フェイトが魔力弾の飛んできた方向に目を向けると、それぞれのデバイスを構えた
B分隊の射撃系魔導師達の姿が目に入った。

(ありがとう)

フェイトは心の中で感謝の言葉を唱えながら、ハーケンフォームのバルディッシュを
頭上に振り上げ、自身の体重を叩きつけるようにその刃を猛獣に向かって
振りおろした。

黄金色の刃は猛獣の首にあるゲオルグがつけた傷と全く同じ場所に突き刺さり、
猛獣の頭をその胴体から切り離した。
小型車ほどもある巨大な頭がゴトリと落ち、胴体のほうは切り口から血噴き出しつつ
崩れ落ちた。

ゲオルグとフェイトはB分隊の隊員たちの前に降り立つと、残ったもう1体の
猛獣の方を向いて身構える。

「さ
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