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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第6話:被験体
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隊長! 後方に魔力反応です。 推定Sランク!」

「後方ですか!? 総員戦闘準備」

分隊員たちの了解という声を聞きながら、ゲオルグはフェイトに話しかける。

「フェイトさん。 もし戦闘になったら僕とフェイトさんで前に出るからね」

「うん、わかってる。 まかせて」

フェイトは真剣な表情で頷く。
通路の突き当たりを背に迎撃態勢を整えると、轟音とともに通路の壁面が
突き破られた。

「B01よりシャングリラ。 アンノウンと接触!」

ゲオルグはシャングリラに向けて通報すると、戦闘に備えて身構える。
壁面の崩壊による土煙が晴れてくると、巨大な犬のようにも見える
猛獣の姿が現れる。

「なに・・・あれ?」

フェイトのつぶやきにゲオルグは首を横に振る。

「判らないよ。 でも、襲ってくるなら倒すだけだ」

フェイトが頷くのと同時に、巨大な猛獣がゲオルグ達に向かって走ってきた。
その前足にある鋭い爪は真っ赤に染まっていた。

(アイツが研究員たちを殺したのか・・・)

ゲオルグは右手に持ったレーベンを強く握りしめる。
その表情は怒りに燃えていた。

「フェイトさん!」

「うん!」

ゲオルグの声にフェイトが応え、2人は猛獣に向かって地面を蹴った。
ゲオルグは地表近くを、フェイトは天井近くまで飛び上がり進む。
フェイトよりも一歩早く猛獣の足元にたどり着いたゲオルグは、
猛獣の前足を狙ってレーベンを振るう。

《マスター、下がってください! 右です!》

レーベンの声に反応して、ゲオルグは慌てて跳び下がる。
その一瞬のち、巨大で鋭い爪がゲオルグの立っていた場所をなぎ払った。
ゲオルグが右に目を向けると、先ほど現れたのと同じ猛獣がもう一体立っていた。

「くっ・・・フェイトさんっ! 一旦下がって!」

今まさにバルディッシュを振りおろさんとしていたフェイトにゲオルグが叫ぶ。
が、フェイトも新たな猛獣が現れたことに気付いたのか攻撃を中断して、
ゲオルグの隣へと舞い降りる。

「ゲオルグ、どうするの?」

「分隊の中距離系攻撃ができる人達に援護してもらって、僕らで1体ずつ叩こう」

「了解。 どっちから?」

「左からいこう」

「了解。 じゃあいくね」

フェイトは短く言うと、2体の猛獣のうち左側の1体に向かって飛ぶ。

「フェイトさんと僕の援護射撃をお願いします。 僕らは左側の1体から
 かかりますので右側の1体をけん制してください。 お願いしますね」

一方ゲオルグは後方の分隊員たちに指示を出すと、フェイトに続いた。
先行したフェイトは猛獣の首を狙いバルディッシュを大きく振る。
だが猛獣側も黙って見ているだけでは無論なく、前
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