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MASTER GEAR 〜転生すると伝説のエースパイロット!?〜
022
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何でもあの謎の機体、最近やたらと軍とゴーレムの戦いに現れて、単機でゴーレムを撃退しているらしいぜ?」

「……うん。作戦時に僕もよくその噂を聞いたよ。まだ実際には見たことはないけどね」

 どうやら最近になって上層部は情報規制の手を緩めたようで、軍だけでなく一般のマスコミにも、まだ噂段階であるがハジメのことが知られはじめているらしい。自分の存在が世間に公表されるのもそんなに遠い未来ではないかもしれないと思いながら、ハジメはリヴァーレに対して嘘をついた。

「それにしてもあの機体って、カッコいいよな。ハジメもそう思うだろ?」

「……………………………………………………そう?」

 ハジメの内心の葛藤も知らずに噂の機体、サイクロプスを誉め称えるリヴァーレに、そのパイロットであるハジメは物凄く複雑な表情をする。

「だってそうだろ? 軍が苦戦している時に颯爽と現れて、単機でゴーレムを撃退するとすぐに立ち去っていく。まるでロボットアニメに登場するヒーローみたいじゃないか?」

「……………………………………………………かもね」

 面白そうに噂で聞いたことを話すリヴァーレに対してハジメの表情は渋い。

 確かに外から見ている人間にはそう見えるかもしれないが、当事者からすると「もっと早く救援にこれたらよかったのに」とか「戦闘の後始末を押し付けてスミマセン」という後悔の念のほうが強かった。

 更に言えば、この一ヶ月の任務で軍の上層部が下した指示にもハジメは色々と言いたいことがあった。相変わらず軍の上層部はハジメとサイクロプスに前に出て戦えと言うし、それだけだったらまだしもサイクロプスのパーツを近距離戦闘用のパーツに取り換えようとすると「今はサイクロプスの存在と姿を知らせている段階だからパーツ構成を変えないでほしい」と、コロネル大佐経由でストップをかけてくる始末。

 もはや悪意どころか殺意すら感じられる上層部からの指示にハジメは何度も「やってられるか!」と叫びそうになり、ファムは「現場を知らない上層部のジジイ共め、自分達の事情を優先した無茶な命令ばかりよこしやがって……」と体から黒い霧を漂わせながら呟いていた。

 正直なところ、己の罪を悔やむ罪人のような表情をしたコロネル大佐の心からの謝罪がなければ、とっくの昔に別の惑星国家に亡命をしていたとハジメは思う。

(ヒーローっていうよりは、無茶な注文ばかり受けていいように使われてる何でも屋だよね、僕)

「ハジメ? どうしたんだ?」

「え!? ううん、何でもないよ」

 リヴァーレに向けてハジメは努力して作り笑顔を浮かべ、その横では事情を知っているファムが同情の眼差しを彼に向けていた。

(……とにかく! 今日は久々の学校なんだから、軍でのことは忘れ
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