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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第十六話 折り鶴
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れたそれらは、やがて千羽鶴に成る筈の物だ。

「明日一日あれば完成かな」

 ちょうどおり上がった鶴を机の上に置くと、和音はそのままベッドに倒れ込む。

「はぁ……」

 雑貨屋で折り紙を見つけた時、和音の胸に湧きあがって来たのは懐かしさだった。
 ここへ来てからもうずいぶん経つのに、あまりにも居心地が良すぎた所為で、不思議と未来へ帰りたいという切実な衝動は襲ってこなかった。
 だというのに、なんてことの無い折り紙を見ただけで、もう自分ではどうしようもないほどの懐かしさと、本来の自分の時代へ戻りたいという衝動が湧きあがって来てしまったのだ。

「どうか、未来へ帰れますように――」

 そっと、和音はまだ完成していない千羽鶴達に向けて呟いた。
 いつになるかは分からない。そもそも帰れる保証などどこにもない。
 だけど、一度湧きあがってしまった衝動はなかなか静まってはくれなかった。

「もう寝よう。明日また、ちゃんと鶴を折るんだ……」

 明かりを消して、枕に顔を埋めて目を閉じる。
 いつも以上に寝付けない夜が、和音の心を締め付けるのだった――

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