第十四話 各々の主義
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訳あってオーブを離れてはいるが、オーブ軍の理念にそぐわぬこの戦闘を直ちに停止し、直ちに戦闘を停止せよ!軍を退け!』
◇
「フッ―――カオス、ガイア、アビスの出撃準備をしておけ。折角、舞台に上がってきたんだ。精々利用させてもらおうじゃないか。タケミカヅチに通信を」
「ハッ!」
後方で見守っていた連合の司令官であるネオは不敵な笑みをもらしながらオーブ司令官であるユウナに通信を回す。
「これは一体どうゆう事なのかな、ユウナ殿?もしかしてそちらは我々に異を唱えると、そう言う事なのですか?もしそうなら、お国元を含めて色々と面倒なことになりそうですが―――」
『あ、あんなもの、私は知らない!!』
その発言を聞いたネオはますます笑みを浮かべる。
『アレはニセモノだ!でなければ操られているんだ!?』
「では、あれはオーブ代表のカガリ・ユラ・アスハではないと、そういうことでよろしいので?」
『い、良いも何も私は―――オーブはあんなものを認めるわけがないだろう!?』
ハッキリとした言質を取ったネオは内心歓喜する。
「でしたら、こちらもそのように対処いたしましょう。この件は彼らを落とした後、じっくりと話させてもらいますよ」
◇
「ユウナ殿!?」
「煩い!今更戻ってきてあんなこと―――受け入れられるわけないだろ!連合が後ろで見ているのに、はい止めますで済むと思ってるのか!?」
「そ、それは……」
アークエンジェルを敵として扱うユウナにトダカ一佐は思わず食らいつくが正論で返される。
「大体な、オーブがこうなる名分を与えたのだってあの艦じゃないか!」
本来この遠征は距離があったことも含めて消極的に断れる、或いは小規模の出兵で済むはずだったであろうものだ。しかし、アークエンジェルという厄介ともいえる存在がオーブから出てきたという脅しによって派遣されることになったのだ。
「早くあの疫病神を撃ち落とせ!あれのせいでこっちが迷惑こうむってるんだぞ!!」
「しかし―――!」
「馬鹿かお前らは!?これは既に政治の領分なんだよ!!あれを撃たなきゃ最悪オーブが亡ぶんだぞ!!」
苦々しく顔を歪ませながらも、事実を言っているユウナの言葉にトダカ一佐は従わざるえなかった。
「我等を惑わす、賊軍を討つ!」
「トダカ一佐!?」
周りの副官等が悲痛の叫びをあげるが、トダカはそれを無視して指示を出す。彼らは軍人なのだ。軍人は個人の意思で動く事はできない。そうでないと軍隊としての組織と秩序を守ることはできない。故に、アークエンジェルを撃たざる得ない。それが国を守る覚悟の一つなのだから。
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