暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
ANSURW其は鳴天より死地に墜つ雷の化身なる者〜GrandfairY〜
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両手を添え、いやんいやんと首を横に振る。そんな彼女に私は「グランフェリア。お前は私のことが好きかい?」と訊ねてみた。

「え? 父上のことですか? もちろん大好きです。当り前ではないですか」

「じゃあシェフィのことは?」

「もちろん母上のことも大好きです。アンスールの皆様も、兄であるガーデンベルグ、姉のリアンシェルト。数多き弟や妹も。同盟世界に住まう人々、全てが大好きです、愛しています」

元の綺麗な色白の肌に戻っているグランフェリアが、可愛らしい笑顔でそう答えてくれた。ふむ。じゃあ「ジークヘルグもだよな」と追加質問をすると、ボンッと爆発したかのように首まで真っ赤にしたあの娘は、

「す、すすす、すすすす、すすす・・・!」

さっきまでと打って変わってつっかえる。そして小さく「好きれす・・・」答えた。

「ふにゃぁ〜〜??」

「「グランフェリア!?」」

恥ずかしさで限界を超えたのか強制シャットダウンを起こしたグランフェリアがフラフラとへたり込み、ペタンと仰向けに倒れた。シェフィと顔を見合わせて「プッ」噴き出してしまった。“ヴァルキリー”とて恋をする。人の子を産むことは叶わないが、それでも誰かに恋をし、結ばれ、生きていくことは可能だ。システムに、老いる、と追加すれば人のように老いて機能停止――死ぬことも出来る。

「ねぇ、ルシル」

「ん?」

「グランフェリアの恋心、ジークに届いたら・・・親としては嬉しいよね」

「・・・そうだな。ジークになら任せられる」

シェフィと2人で仰向けで倒れグルグルと目を回すグランフェリアの両脇に座り、私は前髪をそっと撫で、シェフィは頬に手を添えた。

「・・・・お休み、私と――」

「私の――」

「「愛おしい娘・・・」」

?―?―?終わりだ?―?―?

私は頭部・胸部・左腕しか残っていないグランフェリアを抱きしめる。

「お休み。私とシェフィの・・・愛おしい娘」

耳元にそっと告げる。と、グランフェリアが琥珀色の魔力となって霧散し始める。完全に消滅するまで私は此の娘を抱きしめ、「グランフェリア」名前を呼びながら後頭部を何度も撫でる。
そうして、「お休み」グランフェリアは私の腕の中から完全に消滅した。



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