第79話 集結する仮面の戦士達。デストロン最期の日(後編)
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たれていない。まさか、デストロンとしての洗脳がまだ残ってしまったのか?
フェイトの淡い希望が打ち砕かれてしまったのか?
「どうした? ヨロイ元帥様の命令を実行しろ! 聞こえているのか?」
「あぁ、良く聞こえているさ」
不審に思った怪人がV3の肩を叩く、それに呼応してV3が動いた。
右手の拳がその怪人の頭部を捉えて飛び込んできた。それに気付いた時には、既に手遅れであった。
怪人の頭部は粉々に砕け散り、頭部を失った怪人はその場に倒れて爆発四散してしまった。
「てめぇらの喧しくて耳触りな奇声がなぁ!」
「ま、まさか……洗脳が解けてしまったと言うのか?」
「生憎だったなヨロイ元帥。中途半端な洗脳をしたばっかりにこんな目に遭うんだからなぁ。それに、わざわざ総戦力で出て来てくれたとは好都合だ。此処で貴様等デストロンを駆逐してやる!」
「ほざけ! こうなれば貴様などもう用済みよ! 全デストロン怪人を以って貴様を粉砕してくれる!」
全てのデストロン怪人達が一斉にV3に狙いを定めた。それに対し、V3はフェイトの前に陣取る形で立ち、構えを取った。
正義のヒーローが持つ、決して後ろには退かない不退転の構えである。
「か、風見さん!」
「下がっていろ。後は俺が片付ける」
口調は何時もの風見に戻っていた。素っ気無い態度にも見えるが、それでも正義の心を宿した熱い鼓動を感じる。そんな言葉であった。
「馬鹿め、幾ら貴様が1号の技と2号の力を併せ持った所で所詮は一人、たった一人で何が出来ると言うのだ?」
「一人じゃないさ。俺の中には本郷先輩と一文字さんが託した正義の心が宿っている。お前等デストロンには一生掛かったって理解出来やしない心なのさ。それに、聞こえないか? こちらに近づいてくる音が?」
「音だと?」
ヨロイ元帥は耳を澄ませた。すると、確かに何かが聞こえて来る。それはバイクの走る音だった。しかも、この音は何所かで聞き覚えがある。
だが、まさか……
一抹の不安がヨロイ元帥の中に芽生えていた。そして、その不安は正に現実の物となった。
それは、丁度ヨロイ元帥の後方から迫ってきた。
全てのデストロン怪人の上空を跳躍し、それは現れた。二台の白いバイク、サイクロン号。そして、それに跨る二人の存在。
忘れもしない。その存在こそヨロイ元帥が最も恐れていた存在だったのだ。
「き、貴様等!」
地上に着地したサイクロン号から降りたそれが、デストロン怪人達の前に立ち雄雄しきその姿を見せた。
緑のマスクに赤い瞳、機械の体に正義の心を宿したヒーロー。
「仮面ライダー1号!」
「仮面ライダー2号!」
力を込めた構えを取り、二人のヒーローが名を叫んだ。そのヒーローこそ、人類全てが長い間待ち望んだ仮面のヒーロー達だったのだ。
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