第十三話 存在する価値
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のトダカも困惑する。すると、困惑していることに気付いたのか、学のない人間だなとばかりにユウナは自慢げに説明をした。
「なんだ知らないの?この海峡の由来になったギリシャ神話だよ。ちょっとかっこいい作戦名だろ?」
そういう事を聞きたいわけではないのだが、と思うがかぶりを振って何事もなかったように開始することにする。
確かに作戦名と言うのは軍の士気を上げたりするのに使われる手立てだが、今必要なのはそういうことではないとトダカ一佐は考えてしまう。
「どちらにせよ、我々オーブにはこうする他ないか……オーブ近海時のことも含めて恩知らずなことをと思うが我々も必死なんだ。恨んでくれて構わない」
そう一人呟きながら指揮を執り始めた。
◇
次の作戦であるダーダネラス海峡の防衛任務にオーブが敵の増援として来る。その話を聞いたアスランはミネルバの甲板で海を眺めながら気持ちが沈んでいた。そこに新しく配属されたハイネがやってきて声を掛ける。
「オーブにいたのか。いい国らしいよな?」
「ええ、そうですね」
「やっぱ戦いたくないか、オーブとは?」
「はい」
やはり自分の気持ちに嘘はつけないとアスランはオーブと戦いたくないことを伝える。すると、ハイネは真剣な表情をしながらこう言った。
「じゃあお前、何処となら戦いたい?」
「どことならって……」
「あ、やっぱり?オレも!……そういうことだろ?」
ハイネは明るく、しかし表情は真っ直ぐにアスランを見て答える。
「割り切れよ。今は戦争で、俺たちは軍人なんだからさ。でないと……でないと、死ぬぞ」
「はい」
アスランは覚悟を決めたようにそう言葉を紡いだ。
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