第四話
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つけられ、兵士たちはもはや動けるほどの精神力を保ててはいなかった。
逃げ腰状態の兵士達を見た幽香は、再び笑みを浮かべるとゆっくりと兵士たちの近寄っていく。まるで楽しんでいるかのように……
「倒れたのは三人……生き残ってるのも三人……さて、どうしてあげようかしら?」
「くっ……来るな!」
「あらあら、人間って追い詰められたらそんなことを言うのね。だからって結果は変わらないのに」
幽香はそう言うと、土からツタ状の花を出し、その場にいたすべての兵士をつかみあげていった。
「うわああああ!!」
「二度とここに現れないで。ここではあなた達の命なんて、この花達よりも軽いものなのよ。でも……殺されたいならいつでも来なさい」
幽香はそう言った瞬間、兵士たちを思いっきり畑の外に向けて投げていった。
すべての兵士を投げきり、フゥと溜息をつく幽香。辺りには傷ついた向日葵が、その無残な姿を見せていた。
幽香は何も言わずにその向日葵に近づくと、これ以上傷つけないようにしながら優しく持ちあげた。
「ごめんね……痛かったでしょ? すぐに元に戻してあげるわ」
幽香がそう言った瞬間、傷ついた向日葵は一瞬で土にかえり、その数秒後には新しい向日葵がその場に現れていた。
そのまま幽香は自分の能力を使い、すべての向日葵を元に戻して行く。数分後、太陽の畑には、再びきれいな向日葵が黄色大地を生み出していた。
「これでいいわ。……あれだけ忠告しても、明日には新しい兵士がまたやってくる。そしたらまた、この子たちが傷つくだけ……。いっそ私が離れたほうが……いや、離れてもあいつらが来てまたこの子たちが傷つくだけ……何かいい方法はないのかしら」
革命軍が来てからほぼ毎日のように、太陽の畑に兵士たちが現れるようになっていた。目的はもちろん、風見幽香の捕獲だろう。
だが、どれだけ多くの兵士が来ようとも、幽香にとっては5割も実力を出さずに倒せる程度のものばかりだった。それにもかかわらず、革命軍はひたすら同じ戦力を投入し続ける。それも違う人ばかり。
幽香の実力を知った兵士なら、恐怖心に追いやられてここに現れるはずがない。人員の多い革命軍は、それを回避するためにわざと初見の兵士を送っているのだろう。
そろそろ革命軍のやり方にいらだちを覚えていた幽香だったが、かといえどむやみに命を取ろうとはしない。他の人たちもそうしているからだ。どうすればいいものかと、頭を悩ませていた。
「まあ……なんとかするだけね。……東から三人。でもやつらじゃないわね」
幽香はそう呟くと、日傘をさして歩き始めた。
その頃、太陽の畑の別の場所では、
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