第四話
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が周りに響き渡る。
その数秒後、兵士たちの目に映ってきたのは、その場でぐったりしたままピクリとも動かない隊長の姿と、チェック柄の服を着た女性の姿だった。
「なっ……あれが……風見幽香……」
「あらあら、たったこれだけの力でのびちゃうなんて……やっぱり人間は人間なのね?」
「うっ動くな!!」
なにが起きたか分からず呆気にとられていた兵士たちだったが、すぐさま我を取り戻すと、現れた幽香に向けて銃口を向けた。
「……あなたたちもこうなりたいの?」
「うっ……うるさい! 近寄ったら撃つ!!」
そう言って幽香に銃口を向けたまま睨みつける兵士。だが、銃を持つ手は微弱ながらも震えていた。
幽香はそんな兵士達をじっと見ていたが、急にフッと鼻で笑うと、ゆっくりと兵士達に近寄り始めた。
「あなたに私が倒せるの?」
「ぐっ……」
「口だけは達者……最近ここに来る外来人はそんなのばっかね」
「だっだまれえええ!!」
幽香の言葉に触発させられたのか、兵士は叫びながら引き金を引こうとする。
だが、引き金を半分まで引いた瞬間、すでにその場所から彼女の姿は見えなくなっていた。
「なっ……」
「殺気が丸見えよ。そんなんじゃ相手を殺せやしない」
「ひっ……がはっ!!」
声に反応して振り返ろうとした兵士だったが、それも間に合わず思いっきり吹き飛ばされていた。
その後、兵士がいたところに、幽香がゆっくりと姿を現す。その顔はどこか楽しそうな表情を浮かべていた。
「まったく、ど素人にもほどがあるわね」
「うわああああああ!!」
恐怖心に煽られた一人の兵士は、何も考えることなく弾をばらまいて幽香を遠ざけようとする。
だが、幽香にとってはこんな安易な攻撃は無駄にすぎなかった。
「やめなさい。花にあたったらどうするの」
「!?あっ……がっ……」
一瞬で兵士の懐まで飛んだ幽香は、兵士の首を握りながらそう言った。
呼吸ができなくなった兵士は、足をばたつかせながらなんとか振りほどこうとする。しかし、相手の力がよっぽど強いのか、何度やっても抜けられそうになかった。
酸素がいきとどかなくなり、兵士の目にはうっすらと涙が浮かび始める。それをみた幽香は、再び笑みを浮かべていた。
「無様なのね。たとえ相手が妖怪だったとしても、男が女に勝てないなんてね!!」
「!?」
満足したのか、幽香は兵士を思いっきり地面にたたきつけた。
なんとも言えない衝撃音が辺りを響き渡る。そのまま、兵士はなにも言うことなく倒れたままになっていた。
「ひっ……」
目の前の惨劇を見せ
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