キャリバー編
百二十五話 女王の請願
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と大気を震わせ、リョウとサチ意外のメンバーは後ずさると言うよりも身構える。
「はは、問題ねぇよ。此奴一応肉食だけどな」
そう言いながら、リョウは近寄って来た虎にモンスターか何かの大きめの肉をひょいひょいと投げる。無論、一つの頭に一つずつ平等にだ。
と、くるぉぉん。とトンキーの鳴く声がして、リョウは不意を打たれたようにそちらに顔を向ける。
「なに?お前も欲しいの?」
リョウの言葉に答えずともトンキーはヒョイ。と鼻を持ち上げつつ答える。
「ほれっ」
答えるようにリョウがその鼻に向けて肉を投げると、トンキーはぱしっとそれを掴んでパクリと食べた。
「オイ此奴肉も喰うじゃん」
「み、みたいだね……」
リョウの言葉に苦笑で返したリーファを見て、はっはっはとリョウは笑う。と、グォォォ、ガァ。と鳴きだしたミコにリョウは「あー、分かった分かった」と言って、その巨大な猫の頭に覆いかぶさるようにして彼等其々の耳の根元や頭を掻き始める。
ゴロゴロゴロ……と嬉しそうに喉を鳴らすミコの三つの頭を笑いながら撫でている。
「へぇ……意外と人懐っこいんだねぇ……」
「うん。特にリョウには良く甘えてるよ」
驚いたように言ったアスナの横で、サチが微笑んで言った。
そんな事を言っていると後ろでキリトとクラインが騒いでいるのが聞こえて来る。
「つかよぉ、虎の方に乗りたくねぇ?」
「それは同感かも……けど良いもんかな、それで……」
「?何だよお前ら、ミコのりてぇの?」
リョウが気が付いたらしくキリトとクラインに聞く。
「そりゃあ……」
「男としちゃあ、やっぱ、なぁ!」
「ふーん」
と言う訳で……
────
グォォォォォォォッ!!と雄々しい虎の方向が響く。と同時に……
「うっひょぅ!!」
「虎乗りだぜぇ!!」
「すっご……!」
男どもの子供のように興奮した声が、ヨツンヘイムの広大な空中に響く。
結局、ミコには男性陣とアイリ、それにサチが乗り込み、その他の女性陣はトンキーに乗る事になった。
隣のトンキーではまた、女性陣がトンキーの上で下を見たり見なかったりしているが、そんな中……
「下は見ない、下は見ないわよ……」
「うんうん、大丈夫、大丈夫ですよ〜」
アウィンはトンキーのど真ん中で一人、アスナにしがみついて目をきつく閉じている。と言うか若干涙目だ。
「よーし、トンキー、ダンジョンの入口までお願い!」
「ミコ、お前もだ、頼むぜ!」
くおぉーーーーん。グォォォォォォッ!!と良い鳴き声が響いて、二匹は空中へと繰り出した
トンキーは滑るように、ミコは(おかしな話では有るが)途歩なので少し揺れ気味に、二匹は空中を進む。そんな中、不意にキリトがリョウに声を掛けた。
「それにしても……
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