キャリバー編
百二十五話 女王の請願
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?」
それまで普通にトンキーを見ていたアウィンが、不意に、思い出したように……と言うか、思い出したくない物を思い出してしまったかのような顔で、リーファに問うた。
「この子に……乗るの?」
「うん。そうだよ?」
リーファが至極当然そうにそう言った途端、アウィンは一歩後ずさった。首を傾げるリーファに向けて、リョウは苦笑しながら彼女の高所恐怖症の事を解説する。
「あ、あはは……で、でも大丈夫だよ!空中通るのは一瞬だから!」
「あ、あはは、そうよね!あ、あはははは……」
乾いた笑いを浮かべながら、ひきつった顔でアウィンは硬直している。
「どー見ても大丈夫って顔じゃねぇよなぁ」
「煩いわよリョウ!!」
面白がるようなリョウの言葉に怒鳴りつつ、アウィンはもう一度トンキーを見た。
「ま、お前が乗るのはそいつじゃねぇけどな」
「え?」
そう言うと、リョウは少し前に出た。
「さてと、そんじゃ呼ぶかね!来い!!三虎ォォォ!!!」
「わっ!?」
「ちょ、兄貴行き成り……」
リョウは突然虚空に向けて大声で叫び、それに驚いたキリトや他メンバーが講義する。それに苦笑しつつ、リョウは返す。
「わーりわり。彼奴指笛じゃ来ねぇんだわ」
「彼奴?」
シリカが首を傾げて聞く。それに笑いながら、リョウは答えた。
「おう。ほれ、来たぞ?」
「あははは……」
リョウの言葉に、サチが苦笑しながら虚空を見た。全員がそちらを見ると、空の向こうから、再び白い点が此方に近寄って来る。
「あれは……?」
「トンキー……じゃないよね?勿論」
ヒョウセツに続いて、傍らのトンキーを見ながら、リーファがそう言った。
それは近づくにつれて、どう言った“生物”であるかが分かるシルエットを見せる。そしてそれがなんであるかが完璧に確認できた時……そこにいたメンバーがそれぞれ、二通りの感想を漏らした。
「「「「「「「と、虎ぁ!?」」」」」」」
「「「「かっけぇぇぇぇ!!!!?」」」」
それは、巨大な虎だった。真っ白な毛並みに黒の縞模様が付いたその巨大な体躯と、猫にも似た頭部の耳と顔は、間違いなく虎のそれだ。
しかしそれは唯の虎では無かった。頭部が三つある。所謂、ケルベロスのような頭部をしていたのだ。そして同時に、その虎は空中を走っていた。
トンキーのように羽をはばたかせて飛ぶのではなく、虎の四本の足元に何処からともなく発生する雲を踏んで空を飛んでいたのだ。その奇怪であり、神々しくもある姿は、中国の伝承に登場する白虎のようでもあった。
「さって、紹介するぜ。ミコだ」
全員に向けて顔を向けてニヤリと笑いながら、そう言うと同時、巨大な空を掛ける三頭虎は、グォォォォォォォォッ!!!と、大声で咆哮した。
その声がビリビリ
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