キャリバー編
百二十五話 女王の請願
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もある。と説明者であるユイは語った。
もしもそれが運営の意図せざる展開であったとしても、カーディナルの自動バックアップ機能を運営が利用していた場合、設定次第ではフィールドデータは巻き戻せないかもしれないらしい。
今でこそ、人口の半分が世界樹上の《ユグドラシル・シティ》に移ったが、未だにアルン高原のダンジョン攻略のベースシティや交易の中心として、休日ともなれば大いににぎわう都市である。キリトやリョウ、リーファや、他の何人かのメンバーにとっても思い出深い街だ。
「こうなったら、やるしかないよ。お兄ちゃん」
そう言ったリーファが、手に持ったメダリオンを高くかざした。
ウルズからもらいうけたそれには大きな一つの宝玉が埋め込まれており、綺麗にカットされている。しかし今、その半分が漆黒に染まっており、光を跳ね返す事が無い。
ウルズによれば、この宝玉が完全に黒く染まった時、ヨツンヘイムの動物型邪神は全て殲滅され、ウルズは力を失うらしい。要はこの宝玉が黒く染まった時こそが、スリュムのアルヴヘイムへの侵攻が始まる時と言う訳だ。
「だな。今日集まったのは、あの城に殴りこんで《エクスキャリバー》を手に入れるためだったんだし、守りが薄いって言うなら願ったりだ」
「時間制限付きのクエなんざ慣れっこだしな。いっちょやってやっか」
キリトの言葉に、リョウもニヤリと笑って言った。
二人は自身のステータスウィンドウを開くと、それぞれ少しばかりの操作を行う。
キリトの背にはリズが打った剣に交差するように、以前アインクラッドのボス攻略でドロップした剣が現れる。
リョウの腰には、柄の短い偃月刀が現れた。
二人とも普段はボス攻略等で目立ち過ぎるのが嫌でこれを使う事は余りないのだが、今回は話が別だ。久々に其々の全力の武装をしたリョウとキリトを見て、クラインが企むように笑って言った。
「おーし、んじゃあ今年最後の大クエストだ!ばしっときめて、明日のニュースの一面のったろうぜ!!」
即物的であはるものの、まぜっかえす者はいなかった。
「おぉー!」と全員で唱和すると、彼等の足元でトンキーとミコがくるるーーん!グォォォォッ!!と鳴く
入口にたどり着いた邪神達から飛び降り、各自其々状態確認に入る。
初めに降り立ったリーファが、トンキーの耳を撫でながら言った。
「待っててね、トンキー、ミコ、絶対に貴方の国を取り戻してあげるからね!!」
振り向いて、少し湾曲した愛用の長剣を抜く。
「ワクワクするねー!あ、ヤミ、大丈夫?」
「えぇ……まぁね……ふぅ。やっぱり高い所は……」
「無理はしないでくださいね。気分が悪く突然ログアウトしてしまう方も居ますから。
言いながら、アウィンはクローを手にカチャリと付け一度ヒュンッと振る。ヒョウセツはアウィン
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