キャリバー編
百二十五話 女王の請願
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ない《偽剣カリバーン》を与えるつもりであろうと言う事まで。
当然、そんな事をされれば央都アルンは壊滅するだろう。どうやらスリュムの目的は、アルヴヘイムすらも霜に閉ざし、世界樹の梢へと攻めのぼる事らしい。其処に実ると言う、《黄金の林檎》を手にするために。
「ず、ずっるい……王様がそんな事して良いの……」
話を聞き終えて、リーファが唖然としたようにそんな事を言った。
しかしまぁ、古今東西、物語にしろ現実にしろ、ずる賢い王等と言うのはいくらでも居るものだ。と言うか中にはもっとロクでもない事をしている物も少なくないのだ。
フィクションノンフィクション問わず、力を持つ者と言うのは、基本正義の味方ではないのである。
まぁ、ただし──
「その狡猾さこそが、スリュムの最たる武器なのです。しかし彼は、我が眷族を滅ぼすのを焦る余りに、一つ大きな過ちを犯しました。配下の巨人の殆どを、巧言によって集めた妖精の戦士たちに協力させるため、地上へと降ろしたのです。故に、今あの城の守りは、かつてないほどに薄くなっています」
そうして、クエスト、《女王の請願》の最も重要な一言が、彼女の口から発された、内容は、言うまでもなく……
「妖精達よ、スリュムヘイムに侵入し、エクスキャリバーを《要の台座》より引き抜いて下さい」
──ただし、フィクションに置いてのほとんどは、それらの者たちは敗北するのが王道なのだが。
────
トンキーとミコが上昇し、ダンジョンの入口まで到達する間に、状況の整理が行われた。
結果から言えば、恐らくもし動物型邪神が殲滅され尽くせば、本当にスリュムヘイムがアルヴヘイムに上昇する可能性は十分にあるらしい。
たとえ運営側からの警告が無い状態であっても、《ザ・シード》系列のMMOの中で唯一カーディナル・システムがSAOに使用されていたフルスペック版の複製品を使っているALOに置いては、フルスペック版にのみ搭載される《クエスト・自動生成機能》が有るらしい。
ネットを通じて世界中の伝承や伝説などを調べ、クエストを翻案、無限に作成すると言うこのシステムが、もし今まで停止していたにも関わらず運営側の何らかの操作によって起動していた場合、クエスト内容如何では、行きつく所まで言ってしまう可能性も無きにしも非ず。と言う事だそうだ。
寧ろ場合によっては、このクエスト、及びALOそのものの基盤となっている北欧神話に置いて、ニヴルヘイムからやってくる《霜の巨人族》だけでなくムスペルヘイムから来る《炎の巨人族》がアルヴヘイムで戦を始め、世界の全てを焼きつくすと言う終末の日。
《神々の黄昏 (ラグナロク)》
最終的にアインクラッドを消去、つまり崩壊させる事を役割としていたカーディナルには、ワールドマップの全てを破壊し尽くす権限
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