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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第112話】
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いった――。

と、一夏が俺に言う。


「ヒルト、何であんな奴の言うこと聞くんだよ、頭も下げて、かっこわるいぞ?」

「……悪いな、俺は格好の良し悪しで生きてる訳じゃないんだ」


そう返すと、俺はさっきの女性が片付けずに放置した棚の水着を片付け始める――。


「――シャル、悪かったな…俺達のせいで下げたくない頭を下げさせて」

「ううん、僕は大丈夫だよ?――ごめんねヒルト。やな思いをさせちゃって……僕も手伝うよ」


そう言い、隣へやって来たシャルが水着を片付けて始めた――嫌な表情もせずに手伝ってくれるのに、俺は結局彼女に迷惑しかかけてないことに改めて気づかされる。

――と、一夏がまた口を開く。


「ヒルトもシャルも、二人とも片付けなくていいだろ?あいつ、もう居ないんだし」

「かもな…、でもやらないと後で面倒な事になってもお前と違って俺は助けてくれる『力を持った大人』は居ないんだよ」


そう言い、水着の片付けを終えるとシャルが口を開く。


「……多分、一夏にはわからないと思うよ?……一夏は、さっきのヒルトの行動、カッコ悪いって思ってるでしょ?」

「おぅ、あんな奴の言うこと聞いてペコペコ頭を下げてるヒルトを見ると俺はかっこわるいとしか思えねぇ。俺には出来ねぇ」


そう言い切る一夏、それを見たシャルは呆れたように呟く。


「……一夏にはわからないよ、ヒルトや他の男の人達の立場が…」

「…?なんだって?」


シャルの呟きは店内のBGMにかき消された為、向こう側の一夏にまでは聞こえなかったようだ。


「シャル、もう良いさ――さて、水着も片付けたし気分切り替えるか。……ありがとうな、庇ってくれて」

「え?――うん!」


そうお礼を言うと、シャルは満面の笑顔で頷いてくれた。

俺は、この笑顔を見てさっきの出来事を早く忘れることにした――。
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