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銀色の魔法少女
第二十話 復活 前編
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てくる刃を相手にしても、負ける気など全くなかった。

 しかし、事態は再び急変する。

「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

 悲鳴と共に巨大な水しぶきが真下から巻き起こる。

 体のいたるところを凍らされたアリシアが吹き飛ばされたのだ。

 次いで、もう一人海中から上がってくる。

「3分30秒、なんとか時間内には脱出できたか……」

 そう普通に呟く遼だったが、彼女も無傷ではなかった。

 重いもので肋骨三本の骨折、左腕にヒビ、クリムが体内で全力で治してはいるが、回復が追いついていない。

 遼はそのままなのはの元へ行く。

「なのは」

「は、はい!」

「よく言った」

 そう言ってなのはの頭に手をのせる。

「ふぇ?」

「少し前までただのおなごだったそうじゃが、とてもそうとは思えんくらい立派じゃったぞ」

「へ、へへへ」

 遼に褒められて嬉しそうだったなのはだったが、彼女から漂うある臭いに気がつく。

 そう、彼女から漂う血の臭いに。

「シグルドさん、あの、どこか怪我を?」

「ん? なあにカスリ傷じゃ、問題はない」

 もちろん嘘だった。

 なのはもそれはわかっていたが、遼がそう言うので聞けなかった。

 ちなみに、この行為にとても腹を立てている人物がいた。

「おい! なのはは俺がおとす予定なんだ、勝手な手出しをするな!」

 もちろん、紅生 刃である。

「そう戯言を申すな頭に響く、それに今はそんなことを言っている場合ではなさそうじゃぞ」

 そう言って遼はアリシアに目を戻す。

「あれ程凍らせたのにもう復活しよって、実に忌々しい奴じゃ」

 なのはと会話している間に全身の氷を溶かしたアリシアは、既に次の攻撃の準備に入っていた。



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