Episode2 社会的な抹殺
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
す仕種を見せたシスイはこの場で何故?と思ってしまうくらい楽しそうに笑った。当然キバオウが噛み付く。
「なに笑っとんねん!」
「いやな、なんや探偵みたいで楽しぃてな」
グルッと回りを見回した後、俺の肩に置いていた手を真っすぐに挙げた。
「昨日の夜、こいつと一緒にいたって奴はおるかな?」
その言葉に怖ず怖ずとアカリが挙手する。位置関係的に気付かなかったのか、アカリの《隠蔽》が今なお高いのか、驚いたように少し目を見開いたシスイがしゃがみ込む。
「初めまして。で、いつくらいからどのくらいの時間まで一緒におったか言えるかな?」
「ず、ずっとです!」
言い切ったアカリに「ありがとう」と言ったシスイが立ち上がった。キバオウに向き直る。
「らしいけど?」
「らしいけど、じゃないわ!それがどないしたっちゅうねん!」
「キバオウさん。アンタこれホンマに読んだん?」
キバオウに呆れたように紙を振ってみせたシスイが続ける。
「これ、確かにそれっぽくは書いてるけどいろいろおかしいで。まずカイトがプレイヤーを全損させたって、わざわざ時間まで書いてるけどさっきこの子が言ったように二人でおったんなら犯行時刻の深夜1時っつうのは変やろ。そんでからもう一個、これは同じ物書きとして許せへんねんけど、これ書いたもんの名前がない!以上であんたは間違ってるわキバオウさん」
「なんやて!」
ズバッと指差したシスイの向こうでキバオウの顔が歪む。しかし反論が帰ってくる。
「せやけどそのチビっ子が言うとうことがホンマや言う証拠もないやろうが!…仮にホンマやとしてもや!その頃にはもう寝てもとうやろ!」
痛いところを突いてくる。確かにそれには反論のしようもない。知らぬ間に夢遊病にでもなっていなければ間違いなく俺は寝ていたが、隣にいたアカリも同じく寝ていたので証明のしようもない。
しかし、アカリが勢いよくシスイの方を向いた。なにを言い出すんだ?と思っている俺の前でアカリが口を開く。
「あたし、カイトさんと一緒に同じベッドで寝ました!」
なっ、と声に鳴らない声で驚愕する俺の前でシスイが意味ありげにこちらを見る。俺としては、違うぞ!と反論したかったのだがその前にキバオウの声がする。
「か、仮にそうやとしても、自分が寝た後に抜け出したんかもしれんやろが!」
「あたし、カイトさんが先に寝ちゃった後カイトさんの腕をギュッとしてたんでカイトさんがどっかに行っちゃうわけありませんっ!」
「せやけど自分の気付かんうちに…」
「気づくもんっ!分かるもんっ!」
「はいはい!」
キバオウとアカリの言い合いにさっきまでと違う意味で変な汗を俺がかき始めた頃、シスイの言葉がようやくアカリとキバオウを止めた。
「もう
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ