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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜妖精郷と魔法の歌劇〜
歩き出す者達
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い大親友が鍛え上げ、命を預けた一振りの相棒。
紅色の鞘に収まる細い刀身。武器カテゴリは《レイピア》、固有名《ランベントライト》と呼ばれたあの姿を。陽光を浴びると、恒星のごとく光り輝くそのクリアシルバーの刀身の形状を。
そして、なかば衝動的に脳裏に閃いたワンフレーズを叫ぶ。
「バースト………リンクッ!!」
途端、ビギィッ!!と脳の芯が全てぶち壊れるような激痛が貫いた。
堪らず、口元から漏れ出る苦痛の声。しかし、それに屈するわけにはいかない。
なぜなら、傍らにいるマイを襲っている苦痛はこの比ではないはずなのだ。
ミシ、ミシ、と何かが脳髄の中を這いずり回っているかのような奇妙な拍動が身体の中に響く。しかし、その中でも必死にランベントライトの姿を思い浮かべる。
やがて掲げていた右手の先に、変化があった。
眩かんばかりの光が手の中から溢れ出し、それが徐々に形を取っていく。
最初は柄。
次に鍔。
最後に─────
「あぁ………」
激痛に耐えながらも、アスナはそんな声を上げてしまった。
涙を浮かべるほどに懐かしい重さが手の中に納まり、しっかりとした輝きが目を焼いた。
ランベントライトが、そこに出現した。
「おかえり…………」
視界がたちまちぼやけ、涙という名の液体が止めどなく溢れ出してきた。
それを振り切るように、いまだ続いている凄まじい痛みに抗うようにゆっくりと立ち上がった。
涙を振り切り、高らかに叫ぶ。
「バーストアウトッ!!」
ブゥン……、と広がっていた世界が減衰するように小さくなった。
同時に、糸が切れたようにマイの小柄すぎる身体から、ふっと力が抜けた。それを見ずに、アスナは左手で受け止めた。
ごめんね、と言いそうになったが、寸前のところで飲み込む。
「ありがとう、マイちゃん」
小さく呟く。小柄な身体はぞっとするほど軽かった。
それでも真っ白な髪を持つ少女は、力なく笑った。
「うう……ん。だい…………じょうぶ、だよ」
壮絶なまでの頭痛に苛まれているはずの少女は、そんな状況でも真っ白な笑みを浮かべた。
心の中でもう一度礼を言い、手の中にしっくり来る相棒を力一杯振り抜いた。軽い手応えとともに、複数の金属音が響いた。あっさりと檻の金属棒は切断された。
思わず細剣を持った右手を小さく曲げてぐっ!とこぶしを握り、それが良くキリトが見せていた仕草だと気づいて笑いを浮かべる。
「キリト君………、わたし、がんばるからね」
小声でそう呟くと、アスナは左腰にいつの間にか出現していた鞘に勢いよく剣を納刀し、左手だけで支えていたマイの体を抱く。その手足からは力というものがごっそ
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