暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜妖精郷と魔法の歌劇〜
歩き出す者達
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相当にテイムスキルを上げなきゃだからね」
「どれくらい……いるの?」
「構成員は全部で五十人。数の上ではドラグーン隊を上回るんだけど、やっぱり飛竜には翼があるからねー。優先度はどうしてもあっちに傾いちゃうんだよ」
ふーん、と解かったのか解かってないのか微妙なリーファの返事の横で、キリトはふっと表情を鋭くさせる。
しかし、それ以上何も言うことなく、手を伸ばしてクーを撫でていた。
四人の頬を、微風が柔らかく撫でていった。
それに少しだけ目を細め。リーファは周りに視線をゆっくりと巡らせる。
周囲は、あの激闘と、二種族の命運をかけた駆け引きが幻だったかのように静まり返っていた。吹き渡る風鳴りと葉擦れの音が静かに耳朶を打つ。
それを見ながら、レンは静かに、ゆっくりと口を開いた。
「………終わっちゃったね」
「…………うん」
「はい……」
「ああ………、終わったな」
三者三様の答えを聞き、うん、とレンは頷く。
一気に人がいなくなったアルン高原は、妙に寂しく感じられた。遥か遠くの空に、大きな鳥のようなMobがゆっくりと旋回しているのが見えた。
「なんか……一気に寂しくなっちゃったね」
「………はい」
さぁっ、と再びの風が吹き、リーファの髪をなびかせた。
レンが皆を見回すと、全員が全員、一様に穏やかな顔をしていた。笑うでも、感動して泣くでもない。ただ、穏やかな顔を。
そんな穏やかな時を唐突に破ったのは、リーファだった。
「………行こっか、みんな」
「………うん」
「はい」
「……あぁ」
皆の返事をしっかりと聞いて、リーファは天空へと飛び立つために翅を震わせた。
空の頂に張りついたまま微動だにしないと思われた太陽も、やがてゆっくりと傾き、弧を描く地平線を赤々と染め上げた。
その写真集にでも載っていそうな圧巻の景色の中で、アスナとマイはそっと身体を起こした。監視の眼がないことを祈りながら、タイルの上に降り立つ。
十歩も進むと、すぐに黄金の扉の前に到達した。こんな狭い場所に二ヶ月もいたのだと思うと、唖然とせざるを得ない。
───でも、それも今日で終わり………。
心の中で静かに呟き、傍らに立つマイの純白の頭にぽんと右手を置いた。
「マイちゃん……。本当に大丈夫?」
最後の最終確認のつもりで聞いたのだが、真っ白な少女は真っ直ぐこちらを見て、力強くこくりと頷いた。
それに無言で頷き返し、アスナはゆっくりと右手をマイの頭から離し、ゆっくりと何もない虚空にある何かを掴むように掲げる。
頭に思い浮かべるのは、一本の剣の姿。
今はなきあの鋼鉄の魔城で、数少な
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