暁 〜小説投稿サイト〜
Magical Girl Lyrical NANOHA− 復元する者 −
第7話 BLUE-LIGHT
[8/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初

もう……フェイト自身の抑えも限界に近付いてきた。
意識が朦朧とし、彼女の魔力が途切れかける。


「フェイト〜〜!!」


アルフの叫びが木霊する。
助けに行きたくとも、ジュエルシードの魔力波で近付く事も出来ない。
叫びながら、心の中で助けを求める。
だが、誰一人……彼女に近付ける者はいない。
この場にいる者では、助ける事は叶わない。
そう唯一人、当初、この戦闘に参加せずに傍観者に徹していたある少年を除いては……。
魔導師の常識を嘲笑うこの世で唯一人の存在。




「ーー『復元する原初の世界(ダ・カーポ・ゼロ)』ーー」




風に乗って、穏やかな声が周囲に流れた
運ばれてきた言霊。
夜闇を照らすジュエルシードとは違う蒼き光。


「えっ……」


何処からともなく聞こえてきた声にアルフは驚き、周囲を見渡す。
声と同時にアルフの横を小柄な人影が通りすぎていった。
それは風の如く……真っ直ぐと荒れ狂う魔力の波をものともせず。
中心であるジュエルシードを掴む少女の下へと疾走していく。

一息にフェイトの近くにはたどり着いたその人物は倒れそうな彼女の身体を後ろから包み込むように支えながら、ジュエルシードを持つ両手に自身の両手を重ねる。


「手伝ってやる。だからもうちょっと頑張れ」

「…………クズハ…………?」


顔のすぐ横には、見知った顔立ちがあった。
余りにも近く、普段の免疫のない彼女では赤面ものだろう。
そこにいたのは彼女が最近出会った黒髪の少年。


ーー『召還せし者(マホウツカイ)』を名乗る男の子だった。










★★★★★






「このまま、僕の『能力』で暴走する前の安定した状態まで戻す。しっかり持っておけよ?」

「う、うん……」


突然現れた彼の言葉に従って頷く。
彼は笑顔で私に微笑みかけながら、私の両手を優しく包む。
暖かくて優しい手。
いつの間にか、両手の痛みが無くなっていた。


「ーー『復元する原初の世界(ダ・カーポ・ゼロ)』ーー」


再び紡がれる言霊。
私の魔方陣に葛葉の見たことのない幾何学模様の魔方陣が重なりあう。
魔方陣から蒼光の魔力が解き放たれ、それは手の中のジュエルシードへと干渉していく。
溢れ出していた魔力が巻き戻されていく。
一体、これは・・・・?
私達の知る魔法ではあり得ない不可思議な光景に横目でそれを行っている少年を見る。


「余所見すんな。まだ終わってないぞ」

「ご、ごめん」


彼の顔色を伺っていると怒られてしまった。
葛葉は真剣な面持ちでジュエルシードを包む自分達の手を見詰めている。
[8]前話 [1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ