第三十六話 少年期R
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夏祭りとはなんだか違うところはあるけど、面白そうな行事だから俺としてはいいかなと思っている。あれだ、万国博覧会風なお祭りって感じ。世界単位での交流だとこういうのもあるのか、と俺自身かなり興奮していた。
「やっぱり、祭りの雰囲気って好きだなー」
「そうだね。人ごみはすごいけど、僕も毎年ここには来てるよ」
友人とはぐれないように気を付けながら祭りの中を進んでいく。きょろきょろ見渡すと、夏祭りの定番であるラムネとか焼き鳥、ベビーカステラなどが売られており、さらにヨーヨーすくいやくじ引きといったゲームも見つけることができた。嗅いだことのないおいしそうな食べ物もあるし、これは迷うな。
「せっかくだから何か食べるか。エイカは何か食べてみたいものはあるか?」
俺と同じようにミッドチルダの夏祭りは初めてだと聞いていたので、俺はエイカに気になったものがないか尋ねる。しかしエイカは目をしきりに左右に動かし、そわそわしている。俺の声も聞こえていないみたいだし、もしかして人ごみとか祭りに緊張でもしているのか?
初めて会ったのが人ごみの中だったから、大丈夫だろうと思っていたけどもし気分が悪くなったら大変だ。少年Bも俺と同じように気づいたため、2人で少し後ろを歩くエイカに近づくため、歩調を緩めながら顔色を窺った。
「……あそこの屋台はかき氷か。味が色々あるが値段が少し割高になっていると。こっちは味は定番の3種類だが値段が安く、しかも練乳入りだと。なかなか…。あっちはフランクフルトで、値段はさっきの店より安いが、大きさが足りないな。金額は大切だが、質を落とし過ぎるのも問題だ。事前にちきゅうやで聞き込みをしておいたリサーチの結果と総合するとここはやはり―――」
とりあえず、猫だましを食らわせました。
「ん、あそこにいるのはランディたちか?」
「え、まじで?」
猫だましを発動させてから数刻後。エイカからのおすすめ情報から選んだかき氷を、みんなで食べ歩きしていた。それにしてもエイカさん、実はお祭りめちゃくちゃ楽しみにしていたのね。実は浮き足立っていたのね。食べ物系統しかリサーチしてなかったのはエイカらしかったけど。
そんな風に歩いていたら、少年Bから声がかかった。みんなで視線を向けてみると、確かに見覚えのあるいつもの3人組が屋台から少し離れたところで焼きそばを食っているようだった。
「おー、少年A、C、Eたちも来てたのか」
「なぁ、そのあだ名混乱しねぇか。誰が誰だかわけわかんねぇんだけど」
「え、そう? 少年Aが頭文字通りアレックスで、少年Cがランディだろ。あと今焼きそばを詰め込み過ぎて、喉に詰まらせているのが少年Eのリトス」
「あ、アルヴィンもちゃんとみんなの名前を覚えてたん…………って、リトスーー!
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