第三十六話 少年期R
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学のキャンパスにいるような綺麗な白亜が並んでいる。
俺の目の前には頑丈な鉄製の門があり、しっかり鍵がかけられている。その学校を取り囲むように俺の身長の3倍はあるだろう塀がぐるっと周りを囲っていた。さらに塀の上にはどうやら結界が張られているらしく、侵入者を防いでいるようだ。そのさらに周りには小型の機械が見張りをしていて、まさに魔法と化学のコラボ警備体制。……ちょっと待って、何この安全性。
「どうしよう、侵入できねぇ」
「お前の頭がどうしようだよ」
「な、なんで冷静なんだよ! このままじゃ肝試しができないんだぞ!?」
「不法侵入してまでやる必要があるのか!?」
「というより、アルヴィンが一番冷静になろうよ」
なんということだ、異世界のセ○ムを舐めていた。学校の怪談を体験してもらおうと思っていたのに、学校に入ることすらできないとは。俺が子どもの時にやっておきたいランキングの上位が、学校で肝試しをすることだったのに。
「なんのための夏の学校だよ…」
「少なくとも肝試しをするためにではないよ」
少年Bに呆れたように言われた。むぅ、このメンバーで肝試しはやはり難しかったのだろうか。アリシアは少女Dたちと一緒に先に行って、別行動になったからチャンスだと思ったのに。少年Cあたりならノッてくれたかな。でもあいつ俺以上に羽目を外しそうだわ。
「ほら学校には入れないんだから、予定通り夏祭りに行こうよ」
「最初から最後までそれしか予定はなかったけどな」
「えー。……ハッ、そうか。こんなときこそ転移を使えば簡単に侵入を―――」
「「もう少しまともなレアスキルの使い方を考えろッ!」」
******
結局ズルズルと2人に引きずられること、10分弱。俺たちの周りにはたくさんの人で溢れていた。親子連れやカップルらしき男女、俺たちと同じように友人同士で来ているものなど様々である。人混みがすごいため、流されないように気をつけて歩いていた。
今日は待ちに待ったミッドチルダの夏祭りの日である。日本の祭りの様に屋台があり、後半には花火も打ち上げられる。ちなみにミッドのお祭りはもともと他世界の人々との交流の場として作られた行事らしく、他の管理世界の食べ物や衣装、小物などが売られている。この祭りの間は他世界のものを身近で見れ、買うこともできるため多くの人々が訪れる一大イベントになっているようだ。
なので普段以上に、カラフルな髪や見慣れない肌の色をした人が目に入る。屋台で自分の世界の食べ物や商品を売る人、自分たちの世界について知ってもらおうとその世界の歴史について話をする人もいる。奥に作られた特設ステージでは、民族衣装の披露や踊り、芸など様々なことが行われているようだった。
俺の想像していた
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