第三十六話 少年期R
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夏休みってどうして早く過ぎ去ってしまうのだろう。
ミッドにも日本と同じように四季がある。そのため、日本より短いがミッドの学校にも夏休みがちゃんとあるわけだ。友人と一緒に宿題をしていたころは、俺たちの夏休みはこれからだぜ! という感じだったのに。日が経つごとに夏休みが終わっていくと思うと、寂しい気持ちが生まれてくる。
学校は好きだけど、これはやっぱり気持ち的な問題だよな。『休暇』って言葉を聞くと、超テンションが上がるのは人として仕方がない。そして休んでいる間の月日の流れが早く感じるのも仕方がないことだとわかる。
だからこそ俺は思う。せっかくの休暇なんだから羽目を外さんでどうすると。俺は現在ピチピチの7歳の子どもである。これは全力少年のように駆け抜けなければ、夏を満喫しなければもったいないではないか!
「いや、お前普段から羽目外しまくっているから」
「アルヴィンには休みとか年齢とか関係ないよね」
「……人を年がら年中お祭り男扱いするのは」
「「事実」」
そこで2人してハモるなよ。
日が傾き、そろそろ夜の帳が下りてくるような時間帯。普段ならとっくに家に帰っている時間なのだが、今日は友達と一緒ならと特別に出歩く許可をもらっている。ちきゅうやに寄ってエイカと合流し、その後家が近所の少年Bと落ち合った。
風があるからそこまで暑くはないが、ムッとした熱気を肌に感じる。日の落ちた道を3人で駄弁って歩きながら目的地へと向かっていた。俺の格好は、半袖のシャツとハーフパンツにビーチサンダルというザ・夏スタイル。2人も似たような感じで、身軽な服装をしていた。
「……そういえば、エイカの服って男物が多いよな。というか、スカートをはいたところなんて見たことないけど」
「あんなひらひらしたもの着れるか。服なんか動きやすければなんでもいいだろ」
「あ、そこは共感できる。でも女の子がそれでいいのか。パッと見は男と思うぞ」
好みは人それぞれだからうるさく言うつもりはないけど、ちょっともったいない。アリシアはおしゃれが好きだから、小物1つでも結構こだわりを持っている。実際おめかしした妹は、家族の俺から見てもかわいいと思うし。エイカもはねている髪を整えたり、服装を変えればかなり違うだろう。
正直に言えば、俺が最初にエイカに会った時は本気で男だと思っていた。口調もあれだったし。俺だって女の子だとわかっていたら、咄嗟とはいえコーラルをブン投げるまではさすがにしなかったと思う。俺が気づいたのだって、何度か話をしていてやっとのことだったのだから。
まぁ今更女の子扱いするのは、俺もエイカも腕をさする様なことになりそうなのでそんなに気にしないことにしている。俺自身優しい口調でふわふわした感じの服を着たエイカ
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