第四話 「第13艦隊発進!!」
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。しかし帝国から見れば同盟はあくまでも帝国内部の反乱勢力だ。反乱勢力と講和条約など結べるのか?講和条約は国と国が結ぶものだろう?」
「別に講和条約である必要はないんです。一定期間、例えば数年位の間だけ戦闘行動停戦ができればいいです。だから帝国と結ぶとしたら停戦協定ですね。帝国も同盟も兵を社会に戻して国内の改革を進められます。ただ問題なのは停戦期間です。帝国は皇帝主導ですばやく改革を推し進めることができますが同盟は違います。民主主義国家だから帝国ほどには改革を進められません。だから停戦期間が長くなると帝国に有利になります。」
「なるほどな。其のためにはイゼルローン要塞が必要というわけだな。お前さんから頼まれていた人事が承認されたぞ。副官にフレデリカ・グリーンヒル中尉、士官学校次席卒業だ。お前さんとは大違いだな。あとローゼンリッター連隊が第13艦隊に配属される。」
「鹵獲した帝国軍の戦艦の件はどうなりましたか?」
「それもOKだ。ヤン、大丈夫か?元気がないな。」
「今回の作戦、フリードリヒ4世は読んでいるかもしれません。即位後、間髪をいれずにフェザーン回廊に艦隊を入れるような皇帝です。同盟の起死回生の手段がフェザーン奪取かイゼルローン要塞攻略しかない事くらはわかるでしょう。」
「なら何故イゼルローン要塞攻略をシトレ元帥に提案したんだ?あれはお前さんの発案だろう。」
「ええそうです。これは賭けなんです。フリードリヒ4世はもしかしたら停戦を考えているんじゃないかと。もしそうならイゼルローン方面にはあえて気を配らないでしょう。要塞が陥落しても停戦協定を締結するための条件として要塞の返還を要求できますから。」
「停戦が実現したらフリードリヒ4世は国内改革に集中して国力を増大させる事ができるな。俺たちは名君フリードリヒが率いる強大化した帝国と戦うはめになるか。やれやれ。おもしろくない未来図だ。それでも現状よりはマシか。我々も停戦期間中改革を進められる。」
「その通りです。同盟の未来をそこにかけるしかありません。」
「それよりヤン。今度、一度うちに来い。家内の料理はうまいぞ。」
ハイネセン シトレ元帥
ヤン准将の言ったとおりかもしれない。皇帝フリードリヒ4世は停戦を望んでいる。帝国の国内改革に集中するために。我々は強大化した帝国といずれ戦うハメになる。停戦が実現したら軍需産業には大打撃だ。やつらは必ず軍需産業と結託した汚職政治家共を抱き込んで戦争再開を主張する。政治家は「ルドルフの建てた帝国を打倒する聖戦を再開しろ」と言い始めるに違いない。同盟市民はルドルフ憎しを子守唄に育つ。市民の大半は同意するだろう。だから同盟の国内改革は戦争再開に備えるための改革になる。軍事力の強化が主たる政策になるだろう。
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