第33話 ロマリアとトリステイン
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アンドレーアは、これさえ無ければ凄く魅力的で有能な人に見られるだろうにと考えていた。
「教皇様!まさか、その為だけに我々教会が信徒に手をかけると言うのならば、私は抜けさせてもらいます。」 アニェーゼは、教皇の案に不信感を抱いた。
元々、アニェーゼは教皇がロマリアを、更には、ブリミル教の信者を守り利益をもたらすと言うから、付いて来ていた人材なのだ。
彼女は、若くしてロマリアの孤児院全体の長であり、人材育成から書類仕事まで大体の事をしてしまえる才気溢れる女であり、その女性的な肉体と知的で尚且つ優しげな美貌を持つ彼女は、修道女でありながらも男からも女からも人気が高く、現教皇の数少ない支持率は彼女に対するものと思ってよいほどのものだった。
「アニェーゼ君?君は、私を理解しきれてないねぇ。信者の問題では、一番怖いのがここにいるだろう?アンドレーア君?君は、理解しているのだろう?理解しきれてない彼女に教えてあげたまえよ。」
教皇は、にやつきながらアンドレーアに話題をふった。
「教皇様、つまりは“ある”国の新教徒を狩るということですね?」
アンドレーアは、教皇に話を戻した。
「ふふふっ、ハハハハハハハハ!その通りその通りだよ、アンドレーア君!!君は、察しが早く理解力が高い!凄く優秀な男だな!ハッハッハッハ。」
教皇は、更に上機嫌になりアンドレーアを誉めた。
「有難うございます。」
アンドレーアは、教皇に礼を言った。
「…狂ってる。」
誰に聞かせる訳でもなくアニェーゼは、呟いた。
ロマリアでは、多くの人が気付かずにゆっくりと、ゆっくりと狂気が上層部を蝕み、そして、中間層に狂気と言う名の水が、染み渡り下部から大衆に狂気が、回り始めやがては狂気に飲まれていない常人が、狂人として吊し上げられる結果となる。
ロマリアからトリステインに話は、戻る。
それは、外交問題について話合っていた時の事だった。
「各自、意見を聞きたい。ロマリアについてだが、私は次期教皇にマザリーニが就くのが一番良いと思う。これについてはどうかね?」
サラッとワイアットは、爆弾をこの議会に、投下したのだった。
「陛下!」「そっそれは…」「何と!」「フゥム、何とも奇っ怪な。」
各員は、驚きの余りに顔が引きつり歪み、その歪んだ口から辛うじて残った理性が驚いた感想を口から吐き出していた。
「皆さん、今陛下が言った通り私は、これより腐敗と悪い慣習が蔓延するロマリアの教皇選に出て改革していきたいと考えております。」
マザリーニは、淡々とそれがまるで自身が定められた運命であるかの様に言った。
その後、全員が意見を述べた。概ね皆賛成とのことで会議は、閉幕した。
フラッと出たワイアットは、自身が気づかぬ内に口許に笑みを浮
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