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『もしも門が1941年の大日本帝国に開いたら……』
未来編その二
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の言葉にヒルデガルドが頷く。

「それでお姫さまが何故戦っていた?」

「我が国は帝国からの支援要請を受諾して兵力八千で連合諸王国軍に参加した。我が国は領土も少ないし民も少ないからな」

 シリウスはそう説明する。

「そして参加したが、貴様らの攻撃で我がグリュース軍は全滅した。恐らく帝国が今頃グリュース王国に侵攻して占領しているだろうな」

 ヒルデガルドは苦々しくそう吐いた。

「……暫くは君の処遇は保護として扱う。食料や衣服は此方から提供する」

「……奴隷として扱わないのか? 戦争で捕虜になった人間は男性は奴隷として売られ、女性は貴様らの慰め物になるのが普通だが……」

「……俺らはそんな事はしない(てかそんなんしたら左どもや隣の国が反発するからな)」

 俺は心の中でそう呟いた。

 そしてヒルデガルド・ダ・グリュースは日本国で保護する事になった。

「……服は女性物を要請したのに何で男性物を着ているんだ?」

 ヒルデガルドは普通の男性服を着ている。

「男が生まれなかったからな。私が男装をして民の前に出ていた。まぁ古くから知る兵士達は知っていたがな」

 ……まぁええけど、それに出るところ出てます。いやマジで御馳走様です。

 取りあえず、衛生科の女性自衛官に訳を話してヒルデガルドに改めて服を着させた。

 え? 何の服か? ブラですが何か?

「メシはどうしてるんだ?」

「さっきはお粥を食べさせましたが、医師からの話では普通に食べても大丈夫のようです」

 なら大丈夫やな。

「食堂は今開いてますので」

「分かった。ありがとうな」

 俺は女性自衛官に頭を下げて礼を言った。





「……自衛隊への大幅な予算増額するのか?」

「はいそうです」

 木戸は再び本位総理と総裁室で面会していた。

「これは嘉納防衛大臣も認可しています。御願いします総理」

 木戸は本位に頭を下げる。

「しかしな木戸。この増額は一%から二%まで上げているじゃないか」

 自衛隊の予算は大体が一%弱であるが、木戸は緊急防衛予算案として二%の増額を本位に具申したのである。

「普通なら自衛隊の予算は二%から三%であるがの普通です。今の東アジアの情勢を見るならば」

 木戸はそう言った。民衆党だった政権時は中国や韓国に舐められ、脅されていた日本であったが民自党政権以降は海自の防衛力を強めたりして抑えてきた。

「この緊急予算は主に特地へ弾丸や砲弾の生産分が多いのです。アメリカが支援すると言ってもそう期待はしないのが得策です。この緊急予算で日本の中小企業を復活させようと思います」

「何?」

 本位は驚いて木戸を見た。

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