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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
The PIED PIPER of HAMERUN C
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からな。だから、おれ自身は何も差し出さない。
 だが、俺からお前達に与えれるものはある。」
「「「「それは、なんだ?」」」」

ぬらりひょんの声だけでなく、他の妖怪達の声も聞こえてくる。

「それは、お前達を外に出してやることだ。」
「「「「・・・・」」」」

妖怪達が黙る。

「俺は確かにチカラがほしい。自らの体に宿るようなチカラも、武器のようなチカラも、強くなれる全てのチカラがほしい。
 でも、一番欲しいのは仲間を守るチカラだ。そして、それには自らの力だけじゃなく、戦力が必要になる。だから俺は、お前達には、俺の戦力になって欲しい。
 そして、そうなれば、お前達は一時的にとはいえ、外に出られる。
 妖怪として戦える。
 俺から出すのは、その権利だ。」

どうだ?と一輝は問いかける。
その言葉に、ぬらりひょんはといえば・・・

「わっははっはっはっはっは!」

ものすっごい笑っていた。

「自らの身は何も差し出さん。しかし別の対価ははらう、か。なかなかに面白いじゃないか!おぬしらもそう思うじゃろ?」

ぬらりひょんが問うと、周りにいる気配はどんどん盛り上がっていく。

「満場一致じゃな。」
「ってことは?」
「うむ。おぬしにチカラをくれてやる。
 それも、ただのチカラではない。おぬしの一族に伝わる奥義のすべてをくれてやる。ありがたくおもうがよい。」
「ああ。感謝するよ。」
「ならば、唱えよ!おぬしの望む能力、それをあらわす言霊を!」
「ああ!」

一輝の意思はだんだんと戻ってゆき、元いた場所へと戻っていた。



      ===================



一輝が少しふらつきながらも、しっかりと立ち上がる。

「一輝さん?」
「一輝?」

音央と鳴央が心配そうに声をかけてくるが、気にせず立ち上がる。
まだふらつく体には、しかし確かに力がこもっている。強い意思は、満身創痍に等しい体に力を与える。
そうしてゆったりと体を起こしながら腰にさした量産型妖刀を抜き、頭上に構え・・・
自らの望む力を、唱える。

「さあ、百鬼夜行の始まりだ!」

誰も見ていないから、気づくものはいないが、一輝のギフトネームが一つ、変化していた。

“陰陽術”が、“外道・陰陽術”へと。

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