第十話 アスランの立ち位置
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って、アスランはそのままその場を退出していった。やはりいきなり任命され艦に配属されたアスランはそういった面でも他者との軋轢を感じてしまう。
「あれ、言いすぎじゃないかね?」
ロッカールームで先に待機していたマーレはドリンクを投げ渡しながらそう言う。
「アンタの意見は正しいが、シンの奴だってハッキリ言って間違っちゃいねえだろ」
事実、連合軍が無抵抗のままに投降したのならともかく、敵の連合軍は無意味とはいえ攻撃を仕掛けていたのだ。市民に対する虐殺行為も含め、シンの行動とて決して間違ってはいない。
「確かに、今回は間違わなかった。だが、あいつは力を見誤ってる部分がある。あのまま同じことを繰り返せば、あいつはいつか、無抵抗の市民にまで銃を向けることになる」
「だから間違ってるって?そう言う意味だって伝わってないんじゃ、意味ないだろ?向こうも冗談じゃないって意固地になるだけだぞ」
マーレは思わず苦笑する。やはりアスランも若い。伝え方が酷く不器用に思える。マーレは年長者として介入してやるべきなのだろうが、生憎こういった分野は苦手であり、他人任せにするしかない。
「まあ、話くらいは聞いてやるからお前も少しは歩み寄ってやれよ。あいつ等だって色々と思う所があるんだからな」
「わかってるさ」
全く分かってない。そう思いながらマーレは少しばかり溜息をついていた。
◇
ミネルバはマハルーム基地に辿り着く。シンの不機嫌な態度は続いており、ルナマリアには子供っぽ過ぎるとまで言われるがシンの苛立ちはなくならない。レイはそんな状況を見ながらも微笑ましいものだとばかりに対応するだけだ。
そのことを食事しながらルナマリアはメイリンやショーン、デイル達に愚痴をこぼす。
「でもさ、実際シンの言いたいことも分からなくない?」
「だよな、別に悪いことしてるわけじゃないし―――連合は敵なんだし」
「でも、アスランさんってフェイスでしょ?フェイスの命令を聞かないのはどうかと思うんですけど?」
男としてなのか、男性パイロットだからなのか、シンを擁護するような発言をするショーンやデイルにたいし、メイリンが正論を突き付け苦い顔をする二人。
「だよな〜」
「実際、フェイスってどのくらい偉いんだ?俺、座学苦手でさ……」
「お前座学は寝てばっかで試験も一夜漬けだったもんな」
「そんな寝てねえよ。一夜漬けは確かだけどさ」
ショーンが座学が苦手だと言いながらそれをデイルが茶化す。メイリンはアスランのことを調べた際に知ったフェイスのことについて話す。
「国防委員会及び評議会議長に戦績・人格ともに優れていると認められた者が任命されるザフトのトップエリート。その上、個々におい
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