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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epic18悲劇の幕引き、未来への幕開け〜JudgemenT〜
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は本当にいろいろあったけど、でもフェイトちゃんと同じように絶対に良い子なんだ。だから諦めたくないし、諦めてほしくなかった。だけど無情にもテスタメントちゃんの居る場所が大きく傾いて、虚数空間へ滑り落ちようとしていた。

「「テスタメントちゃん!」」「「「テスタメント!」」」

「・・・高町なのは。アリサ・バニングス。月村すずか。そしてフェイト・テスタロッサにも伝えて。私の死を、背負わないでいい。こうなったのはあなた達の所為じゃないし、誰の所為でもない。だから、苦しまないで」

テスタメントちゃんが笑った。もう涙で滲んでよく見えない。

「・・・テスタメント。君が救おうとしていた者の名前と居場所を教えてほしい。君の代わりに、僕が、管理局が救って見せる」

クロノ君はもう完全にテスタメントちゃんの救出を諦めていた。だからそう訊いた。テスタメントちゃんは小さく笑った後、「私だよ。私を救いたかった」って答えた。え?と訊き返す私たちに、「ほら、これが私を悩ますタネだよ」ってテスタメントちゃんが袖を捲った右腕の素肌を掲げて見せた。所々がヒビ割れていて、砕けていて、霧散していて、薄らと消えかけてる腕。

「「「「「「っ!?」」」」」」

「ある罪を犯し、その罰によってこんな体になった。でも・・・死にたくなかった。生きる為に、魔力を確保する為に、ジュエルシードを知る前には色々な悪事を働いたよ。そして私はジュエルシードを知って、求めた。もう生きているのも許されないような罪を犯しておきながら、ね。
だからもう一度言うよ。大悪人な私の終焉に、あなた達が苦しむ必要も悲しむ必要もない。ふふ。言ったとおりでしょ? 高町なのは。私のことを友達にしたいなんてもう思わなくな――」

「そんなことない! 今でも私はテスタメントちゃんと友達になりたいって思ってる!」

「あたしもよ!」

「私も!」

「アリサ・バニングス。月村すずか・・・。あなた達は本当に・・・お人好しだなぁ」

それが、テスタメントちゃんの最期の言葉だった。テスタメントちゃんの居る場所に天井から崩れてきた瓦礫が落ちてきて、一緒に虚数空間に落ちて行った。

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