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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epic18悲劇の幕引き、未来への幕開け〜JudgemenT〜
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用が出来て満足だわ」

「後悔は、しませんね?」

「ええ」

プレシアはもう一度アリシアのポッドに寄り添い、そっと撫でながらアリシアとの思い出を振り返った。様々な思い出が蘇る中、プレシアの脳裏にあるシーンが浮かび上がった。それは数少ない休暇を利用して、アリシアとピクニックへ出かけた時のこと。

――アリシア。お誕生日のプレゼント、何が欲しい物、ある?――

――それじゃあ・・・あっ、わたし、妹が欲しい! 妹が居れば、お留守番も寂しくないし、ママのお手伝いもいーっぱい出来るもん♪――

(妹・・・)

――生まれるのは、どうしたって記憶を共有しただけの歳の離れた双子の妹だ!――

イリスの台詞を再び思い出したプレシアは「本当に私はダメね。私は、気づくのがいつも遅すぎる」と呟いた。今さらになってアリシアとの約束を思い出し、プレシアの中に後悔が生まれる。そんな時、「母さーーーん!」聞こえるはずの無い声が届き、プレシアは閉じていた目を開けて頭上を見上げた。

「母さーーーーん!」

フェイトだ。神さまの姿がフッと消える。それに何かを言う前に、プレシアの元にフェイトが降り立った。

「母さん! 私は・・・」

悲しげな表情で自分を見上げるフェイトに、プレシアはスッと目を逸らした。今さら何と言えばいいのか判らないから。今まで散々痛めつけ、苦しめ、否定し、拒絶した。それなのに自分を母と呼び、大好きと慕う。そんなフェイトの顔をまともに見られない。

「母さん」

フェイトが恐る恐るプレシアの手に触れた。ビクッと肩を震わせるプレシア。だが振り払わない。拒絶をしなかった。フェイトはそれだけで嬉しく、小さく微笑んだ。

「母さん。私・・・私も一緒に・・・」

「帰りなさい。あなたまで死ぬことはないわ」

「え? でも虚数空間に落ちた以上はもう・・・」

フェイトがそこまで言いかけたところで、プレシアがフェイトと目を合わせた。そしてそっと右手でフェイトの頬に触れ、「生きなさい。アリシアと一緒に」と告げた。意味が解らず、それに優しく触れてもらっていることについてもフェイトは困惑する。あまりにも態度が違うからだ。

「私はもう生きられない。それが運命だから。でも、アリシアはまだ蘇ることが出来て、これからも生きられる」

「母さん・・・? 何を言ってるの・・・?」

「フェイト。あなたはこれからアリシアと――お姉ちゃんと生きていくの。あなたは妹なのだから、ちゃんとお姉ちゃんの言うことを聴くのよ? でも、アリシアが間違っているのなら、ちゃんと正すの」

「意味が解らないよ母さん。アリシアはもう・・・」

「行きなさい。そして生きなさい。フェイト。私の・・・2人目の娘・・・!」

「かあ・・・さ
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