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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第5話:救出作戦
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がガラガラと音を立てて崩れ落ちる。
背後から聞こえる分隊員たちのどよめきの中、ゲオルグは嘆息する。

「・・・行きましょう」

ゲオルグはほっと息を吐くと、小さくそう言って扉の残骸に向かって歩き出した。
こんもりと小さな山になった残骸を避けて、巨大なトンネルのような
研究所の荷物搬入用通路に足を踏み入れた。

そこはわずかな非常灯だけが光るうす暗い空間だった。
ゲオルグは焦げ臭いにおいに顔をしかめながら慎重に足を進める。
時折通路の両側に扉が現れると、分隊の何人かを見に走らせつつ、
ゲオルグを先頭にB分隊は奥へと進んでいく。

やがて、通路の奥にオレンジ色の光が見えてくる。
それが近づくに従って、周囲の空気の温度が少しずつ上昇する。

「暑くなってきたね」

「うん。 意外と火が大きいのかも」

フェイトとゲオルグが短い言葉をかわす。
2人の額には汗がにじみ始めていた。
さらに奥へと進むと、通路をふさぐほど大きな炎が2人の目に入った。

「これは・・・ダメだ」

「うん。 別の道を探す?」

ゲオルグが厳しい表情でそう言うと、フェイトが頷きながら尋ねる。
ゲオルグは腕組みをして炎を見つめていたが、しばらくして後ろに続く
分隊員たちの方を振り返ると一人の隊員に目を向けた。

「クリーグ士長。 確か水系の魔力変換が使えましたよね?
 この火を消せそうですか?」

ゲオルグが問いかけると、クリーグはそうですねと言ってから燃え盛る炎を
じっと見つめた後に首を横に振った。

「やってみないと判りませんね」

「ではお願いします。 別ルートを探すのも面倒ですから」

クリーグは了解ですと答えると、自身のデバイスを構える。
囁くような小さな声で言葉を発すると、クリーグの足元に水色の魔法陣が現れた。

「行きますよ!」

クリーグのデバイスから淡い青色の光があふれ、通路の先で燃える炎に向かって
飛んでいく。
クリーグの放った魔法が炎の直上で弾けると、水の塊となって炎に向かって
降り注いでいく。
ジュッという音とともに水蒸気が立ち上り、ゲオルグたちの視界を遮った。

「・・・うまくいった?」

「ように見えるけど・・・」

水蒸気が晴れてくると、先ほどまで広がっていた炎が消えていた。
ゲオルグはホッと息を吐く。

「ありがとうございます、クリーグ士長」

「いえ、きちんと消せてよかったです」

クリーグはそう言って笑う。
ゲオルグが頷いて先に進むべく踵を返す。
クリーグもそのあとに続こうと足を前に出したところで足元がおぼつかず、
ふらついてしまう。

「おっと・・・大丈夫か?」

肩に手を置かれる感覚でクリーグが後ろを振り返るとそこに
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