第2話 =衝撃の事実=
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GMにコールしてみたけどよぉ反応がねぇんだよ……くそぉ!ログアウト!脱出!!」
「シャットダウン!」
クラインと一緒にその手のボイスコマンドを叫んでみるも、当然何も起こらない。どうやらボイスコマンドはSAOには実装されていないらしく、あれも唱えこれも唱えと思いつく限り試行してみたが、ログアウトする気配も何もなく景色は一向に変わらなかった。
「無駄だ。マニュアルを読んだがその手の緊急切断方法は一切載ってなかった。」
「でもよ!……だって、馬鹿げてるだろ!いくらバグったって、自分の部屋に……自分の体に、自分の意志で戻れないなんてよ!!」
「ほんとそれ。……動かしてたらなんかひっぺ剥がせた、とかないかなキリト」
クラインの呆然とした顔から出た叫びに全くの同感だった。今、現実ではベッドの上で寝転がっているだけなのに、その体に戻ることができないなんてばかげてる、ナンセンスだ。運営仕事しろ。
「…………今の俺たちは、《ナーヴギア》が脳から体に向かって出力される命令を、全部ここで」
キリトは指先で後頭部の下、延髄をとんとんとたたいて説明を続ける。
「……インタラプトして、このアバターを動かす信号に変換してるから無理だ」
「ってことは指一本も動かせないってこと?あ、じゃあナーヴギアの電源を切っちゃえば」
言い終わる前にキリトは首を横に振る。現実で被っている《ナーヴギア》というものは安定してプレイ環境を提供するために、電源が抜けても1日は持つほどのバッテリーを兼ね備えているらしい。
「……じゃあ、結局のとこ、このバグが直るか、向こうで誰かが頭からギアをはずしてくれるまで待つしかねえってことかよ」
クラインの言葉にキリトは無言の肯定で同意を示した。
「でも、オレ、一人暮らしだぜ。おめぇ等は?」
「……母親と、妹と三人。だから俺も、晩飯の時間になっても降りてこなかったら、強制的にダイブ解除されると思うけど…。」
「クラインと同じく1人暮らし、だよ。というかキリト妹いたんだな……」
「悪いかよ……まぁ俺たちみたいな人種とは接点皆無だけどな。それよりもリクヤ、クライン、流石にこれは変だとは思わないか?」
キリトは俺とクラインに質問を投げかけるが、いきなりの話題転換に無理やり感を感じるも俺たちには何がヘンなのかわからなかった。そんな俺たちに対しキリトは説明を開始する。
「こんな状況なら、運営サイドは何はともあれ一度サーバーを停止させて、プレイヤーを全員強制ログアウトさせるのが当然の措置だ。俺たちが気づいてからでさえもう15分は経ってる。なのに対応が遅すぎる。冷めたピザを食べさせられるっていうお前の金銭的損害には比べ物にならないくらいの運営にかかわる問題だ」
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