第2話 =衝撃の事実=
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「えっと…ログアウト、ログアウト…」
ただ今の時間は17時を少し過ぎたころ、そして部活の夜練が始まるのは18時から。準備をして晩御飯を移動しながら食べてもぎりぎり間に合うかどうかといったところだ。だが、間に合わなければメンバーにキレられる、というか部長に殺される。それだけは回避しなければならない。
そう焦りながら、ウィンドウを開きああでもないこうでもないとぶつぶつと呟きメニューを探る。が、どれほど探してもログアウトを指し示すボタンが見つからない。横ではピザを予約したというクラインも俺と同じように指で何かを探すしぐさをしている。
「なんだこりゃ……ログアウトボタンがねぇぞ?」
「ボタンがないって…そんなわけないだろ」
「俺も見つからないよ。それっぽいところずっと行ったり来たりしてるけど」
そんな馬鹿な、と言いたげな顔をし、キリトもメニュー画面を開いて同じようにログアウトボタンを探す。が、その指も次第に遅くなっていき、1分も経たないうちにキリトも同じようなウィンドウで指が止まった。
「……ない…………」
「なっ……おいおいマジかよぉ……」
「ってことは……ログアウトできないってこと?」
「……そうなるな」
キリトの衝撃的な発言に、俺とクラインは驚くしかなかった。完全に外とは切り離されているためこちらができるのはログアウトボタンの復活を待つことくらいだ。それ以外に自分の体を動かすこともできないし、外部の知り合いへヘルプを出すこともできない。
「ま、今日はゲームの正式サービス初日だかんな。こんなバグも出るだろ。今頃GMコールが殺到して、運営は半泣きだろなぁ」
クラインは気を取り直したかのようにいい、運営に同情していた。その同情もキリトにピザのことを思いださせられ、崩れ落ちるようにひざまずいて大きなショックへと変わってしまったが。
「やっべぇ……どうしようっかなぁ……殺される……」
かくいう俺も、相当なピンチを迎えていた。ゲームにかまけて練習に遅刻したとなれば何言われるか分かったものじゃない。とりあえずしごきという名でほかの部員と練習には参加させてもらえるだろう。しかし確実に死が待っている、肉体的にも精神的にも。数日の記憶が飛ぶのも覚悟しなければならない。
「ねぇキリト。ほかにログアウト方法ないの?詠唱とかなんか言えばログアウトみたいな」
「…………いや、知らないな。というか、ログアウトするにはメニュー操作以外にログアウトする方法なんて無いだろ」
「嘘、でしょ……?あ、そうだ運営の方に問い合わせとかは」
ちょっと名案、と思いまず自分のメニューでどれがお問い合わせに該当するか見つからず、クラインやキリトに言ってみるも二人は首を横に振った。
「
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