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とある碧空の暴風族(ストームライダー)
幕間
Trick-03_だから 今は私に甘えなさい
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ら恥ずかしい。


そうやって僕はやっと両親の死から区切りを付けられた。

孤児院に来てから今まで通りに過ごしていたつもりだったが、泣いた次の日に
院長から「やっと区切りがついたかい?」と言われた。

院長だけじゃない。院内の先生にも、孤児院の友達にも「何かあったの?」と
ほぼ全員に言われた。

う〜ん、やっぱりどこかで無理してたんだな、みんながわかるくらいに。

それから僕たちは一生懸命に生きた。
勉強も頑張って、院内の先生も手伝って、天国の父上たちが心配しないように。

それに父上の形見、総合格闘術を絶やさないために。

気付かなかったけど父上が死んでから一度も朝の訓練をしてなかった。
あんなに毎日していた日課だったのにまったく気付かなかった。
葬儀の間も、孤児院に来てからもずっと訓練はしていなかった。

きっと無意識に避けていたんだと思う。訓練をすれば父上の事も思い出すから。

それともう一つ変わったことがあった。
大泣きした日、僕は一族代々の力、前世の記憶を完全に見えるようになった。

毎日のように見ていた夢が、訓練と同じように父上が死んだ日から
一度として見てなかった。

ショックのあまり見えなかったのかもしれないが、大泣きした日に2人して
泣き疲れてそのまま眠ってしまった。そこで完全な前世の記憶を見た。

父上が玖歳になったら完全に見えると言ったが、まさにドンピシャ。
大泣きして区切りを付けられなかったら、この夢を見ることは二度となかった
かもしれない。

ほんと、あいつにはいくら感謝しても足りないな。


そんな感じで、僕は完全に立ち直ることができた。

美雪はたまに泣くこともあるけど(その時は僕の胸の中で泣く。たまに一緒に貰い泣き)
あいつも大丈夫みたいだ。

どれぐらい大丈夫かと言うと、人見知りが少し良くなった。

その事実に僕はかなりびっくりした。学校が終わって教室に迎えに言ったら
女の子同士で「好きな人は?」とかガールズトークをしてるし。

そのタイミングで僕が入ってきたから「私の夫です♪」とか言って腕に抱きついてきた。
周りは驚いたけど、次の日には学年中に話が広まって僕に挑戦する男子が出てきた。

美雪ってこの学校でもモテたのね・・・・

ていうか挑戦って何ですか? あんた達いつの時代の人間ですか?
「俺が勝ったから女は俺のものだ」って考えしかないのかよ?
つか美雪は物じゃねーだろ! 本人に決めさせろゴミ屑ども!

まあ、挑んでくる馬鹿をサッカーとか100m走とかで勝負して全部勝ったけど。

一番ひどかったのは10名ぐらいでけんかを挑んできた時だな。
前の学校では戦う覚悟が中途半端で、父上の言葉を思い出して躊躇し
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