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遊戯王GX ~Unknown・Our Heresy~
第8話 規則の鬼と不良少女
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「おい! 待てよ!!」

「ん?」

購買を後にして、人影のない廊下を歩いていると、後ろから呼び止める声が聞こえてきた。

何かと思い振り返ると、そこには息を切らせて肩で息をする帽子を被った女生徒が立っていた。

「ハァ、ハァ、サンキューな? アタシの代わりに戦ってくれて。正直、2人相手はさすがにきつかったんだ」

「別に構わないよ。ウザかったしね」

「だよね! あぁ言うのって、本当にウザいよな」

俺の言葉に彼女は賛同するように頷く。

その行動は何処か余所余所しい感じが窺える。

「そうだよな。そろそろ自己紹介するか、俺は相原雪鷹。よろしく」

「ああ、アタシはジャッカル岬だ。よろしくな! 雪鷹!」

そう言って岬は差し出した手を強く握った。

「怖くないの? 俺の事」

「ッ!?」

突然の言葉に岬は目を見開いた。

やはり隠していた。

デュエルを終えた時、彼女にも視線を向けたが、周り同様に怯えていた。

怖いのに何故自ら俺の許へ来たのか、俺はそれが知りたかった。

「確かに、お前の事は怖いよ。でも、アイツのカードを取り返してくれた奴を、怖がってどうするんだよ!」

そう言って岬は強い眼差しで俺の事を見た。

その瞳には、余計な感情は一切混じっていなかった。

本当に面白い子だ。

俺はそう思いクスリと微笑んだ。

その事に岬は怪訝な表情を浮かべる。

「悪い悪い。そう言った奴は初めてでな。驚いただけなんだよ」

俺は苦笑いを浮かべながら岬に謝った。

「そうなのか? まぁ、それならいいけど。それより!」

突然岬は顔を紅潮させ、俺の事を睨みつけてきた。

「お前! 人前であんな、き、綺麗とか言うな!!」

人気のない廊下に岬の怒鳴り声が響き渡った。

どうやら言われ慣れてない女性への褒め言葉を、人前で言われて恥ずかしかったらしい。

「人前で言うのは不味かったか。でも、本当に綺麗だと思うぜ? お前」

「なっ!?」

からかうように俺は岬にそう言った。

言われた岬は顔を真っ赤に紅潮させ、大口を開いて固まった。

「ハハハ!! じゃな、岬! 自分が綺麗だって自覚しろよ?」

「ッ!? うるせぇ!!」

廊下に岬の怒号が轟く。

その怒号を背中に受けながら、俺は速足でイエロー寮へと向かって行った。

岬の姿が見えなくなるまで走った俺は、方で小さく息を吐き、窓の外を見つめた。

「・・・・・・」

購買での生徒たちの俺を見る目。

それは既に慣れていて、どうという事はない。

でも、後者は違う。

俺の事をいい奴と言った岬の言葉。

明日一緒に食事をしようと約束を交わし喜ぶ
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