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遊戯王GX ~Unknown・Our Heresy~
第6話 廃寮 現れるイレギュラー
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消えて行った。
side out
Side 三人称
翔たちから離れた直哉と雪鷹は、あの時感じた気配の主を探して、廃寮の中を散策していた。
「雪鷹、さっき感じた気配。お前はどう思う?」
ペンライトで廃寮の中を照らしながら、直哉は雪鷹に訊ねた。
「どうって?」
「俺たちはこの世界に来て、異様なまでに気配に敏感になった。そこいらの人間や動物なら、気配を感じるなんて造作もない。でも、さっき感じた気配は、なんだか邪悪な感じがした」
直哉は歩みを止め、表情を少し歪めてそう言った。
立ち止まった直哉の方を見ながら、雪鷹も歩みを止めた。
「それは俺も感じた。もしかしたら、俺たちの想定していた事が現実になったのかもしれないな」
ガラスが割れた窓から外を見ながら、雪鷹はそう言った。
「“イレギュラー”」
バサバサバサ!!
直哉の呟きと同時に、外の森から鳥がけたたましく羽撃きながら空へと飛んで行った。
突然の事に、2人はビックリして窓の外を見ていた。
そんな時だった。
「ッ!」
「ッ!」
先程感じた気配を2人は再び感じ取った。
「雪鷹!」
「分かってる!」
気配の主を逃がさないように、2人は気配を感じた方に走って行った。
廃寮内に2人の足跡が響き渡る。
気配を追って、2人は上へ下へと縦横無尽に走り回った。
そして、2人はとある部屋へとたどり着いた。
「ハァ、ハァ、気配はここで消えた。」
「ハァ、ハァ、そうだな。この部屋の何処かに、気配の主が居るはずだ」
息を切らせながら2人は辿りついた部屋の中を見渡す。
しかし、部屋の中には誰も居らず、荒れ果てた光景が広がっていた。
「兎に角、この部屋を探ってみよう」
「あぁ」
息を整え、2人は部屋の中へと足を踏み入れた。
その時。
「待っていましたよ」
「ッ!?」
「ッ!?」
突然聞こえてきた声に2人は驚き、声の主を探した。
すると、部屋の扉がバタンと勢いよく閉まった。
扉が閉まった事に2人はしまったというような表情を浮かべ扉を見た。
「フフフ、初めまして、かな?」
部屋の中央から先程聞こえた声が聞こえ、2人は部屋の中央に目を向けた。
そこには漆黒の修道服を纏った者が立っていた。
その顔は闇に包まれていて見えない。
「何者だ」
突然現れた修道士に、直哉は敵意をむき出しにしながら訊ねた。
一見穏やかな口調に聞こえるが、修道士が纏っている気配は、先程感じた邪悪なものそのものだった。
訊ねられた修道士は、クスクスと嘲笑うかのような笑みを浮かべ、闇の中から2人を見ていた。
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