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遊戯王GX ~Unknown・Our Heresy~
第6話 廃寮 現れるイレギュラー
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明日香は持っていた薔薇を廃寮の入り口にそっと供えた。

「わかったら、さっさと自分たちの寮に戻りなさい」

薔薇を供え終えた明日香は、ブルー寮へと向かいながら十代たちにそう告げて去って行った。

そんな明日香の背中を、十代たちは無言で見送った。

「アニキ、明日香さんもああ言ってるし、もう帰ろうよ」

明日香の姿が見えなくなると、翔は十代にそう言った。

「・・・・なぁ」

明日香が去っていった方を見ながら十代が徐に口を開いた。

「俺たちで明日香の兄ちゃんの手掛かり探そうぜ!」

「「えぇ!?」」

十代の提案に翔と隼人は驚愕した。

「俺も十代に賛成だ」

その言葉を待っていましたと言いたげな笑みを浮かべながら俺は十代に賛同した。

俺の隣では、雪鷹が俺同様に賛同を現すように挙手していた。

「・・・・わかったッス! 僕も一緒に行くッス!」

「おれ、俺も一緒に行くんだな!」

俺たち3人を見て、翔たちは意を決したようだ。

これで決まりだ。

俺たちはロープを跨ぎ廃寮の中へと入って行った。






廃寮の中は外同様にあちらこちらが朽ち、天井近くには蜘蛛の巣が張り巡らされ、足を踏み出すと足元から埃が舞い上がった。

すごい荒み具合だ。

「すげ〜広いな! 皆でここに引っ越そうぜ!」

「絶対に嫌っス!!」

廃寮内の広さに十代の冗談とも本心とも捉えられる事を言う。

それを翔は全力で拒否した。

その皆には俺と雪鷹も含まれているのだろうか?

「ん? なんだこれ?」

そう言って十代は足元に落ちていた物を拾い上げた。

どうやら写真の様だ。

「何すかそれ?」

「何なんだな?」

翔と隼人が十代の持つ写真を覗き込む。

「10・・・・JOIN? なんだこれ?」

俺たちも写真を除きこんだ。

そこには、ブルーの上級生用の制服を着た黒髪の男性が、カメラに向かってウインクしている画が映っていた。

その写真の裏には、綺麗な文字で数字とアルファベットが書き込まれていた。

「ん? これって・・・・エトワール・サイバー?」

十代が写真が落ちていた床に再び視線を向けると、そこには明日香が使用していた融合モンスター、エトワール・サイバーのカードが落ちていた。

十代が拾い上げたカードを翔たちが覗きこもうとした時だった。

「きゃぁぁぁぁぁぁ!!」

「ッ!?」

廃寮内にけたたましい女の悲鳴が轟く。

その悲鳴に俺たちは声の聞こえた方に顔を向けた。

「今のって!」

「明日香さんの声っス!!」

「急ぐぞ!」

俺たちは悲鳴の聞こえた方へ向って走って行った。


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