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遊戯王GX ~Unknown・Our Heresy~
第6話 廃寮 現れるイレギュラー
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翔は異論を唱え、隼人はブルブルと震えていた。

「大丈夫だって! 闇のデュエルなんてあるわけないだろ! なぁ、直哉と雪鷹も行くだろ?」

2人の意見を半分強引に押し切り、十代は俺たちに話を振ってきた。

翔たちが行きたくないと言いたげな眼差しを俺たちに向けてくる。

「行くだけ行ってみるか」

俺は面倒臭そうに頭を掻きながら了承した。

それを見て2人の顔が青ざめて行くのが分かった。

俺の答えを聞いた十代は雪鷹はどうすると聞いてきた。

そんな十代に雪鷹は無言で頷いて答えた。

その答えを見た十代は早速行こうと食堂を勢いよく飛び出して行った。

退路を断たれた翔と隼人は真っ青な表情を浮かべながら、廃寮へと向かう十代の後をトボトボと追って行った。

そんな3人の後を俺たちは嬉しそうな表情を浮かべて追って行った。




「あった! 廃寮ってあれじゃないか?」

森の中を彷徨っていると、遂に目的の廃寮を見つけた。

十代の指さす方には、あちらこちらがボロボロに朽ちた立派だったと思われる建物が建っていた。

廃寮の発する雰囲気に十代は目を輝かせ、翔と隼人はガクガクと身体を震わせていた。

「さっそく入ってみようぜ!」

十代は立ち入り禁止の文字が貼られているロープを跨ぎ、廃寮の中に入ろうとした時だった。

「貴方たちそこで何してるの!」

突然の声に十代たちはビックリし、声の方へと視線を向けた。

そこには、一輪の薔薇を手に持った明日香が鬼の様な形相で立っていた。

「なんだよ明日香か、驚かすなよ」

明日香の姿を見て、十代は安心したようにホッと息を吐いた。

しかし、そんな十代の態度に明日香の眉間に皺が寄る。

「ここでは何人もの生徒が行方不明になっているのよ?」

明日香が忠告しながら歩み寄ってくる。

「そんな迷信信じないさ」

明日香の忠告を十代はただの迷信だと笑い飛ばした。

そんな十代の態度に業を煮やした明日香は、十代を怒鳴りつけた。

「真面目に聞きなさい!!」

明日香の怒号に十代たちは目を見開いて驚愕した。

いつになく食ってかかる明日香の態度に、十代の顔も真剣なものに変わる。

「なんだよ、今日はいつになく食ってかかるじゃないか」

明日香の態度を不審に思った十代は、明日香にそう訊ねた。

訊ねられた明日香は、表情を歪ませ、重々しくその口を開いた。

「この寮では、私の兄も行方不明になってるの」

「え!?」

明日香の口から放たれたその言葉に、十代たちは声を上げ驚愕した。

明日香は、兄が居なくなった時の事を思い出しているのか、悲しそうな表情を浮かべ廃寮を見つめている。

そして、
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