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遊戯王GX ~Unknown・Our Heresy~
第5話 月一テスト 女帝からの挑戦
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葉に、希望に満ちていた殺姫の顔が夕日に照らされたように赤く染まっていた。
性格に似合わず照れている。
今日は殺姫の事が沢山知れてよかった。
そう思い俺は心の中で微笑んだ。
「フ、フン! 後悔しても知らないんだからね!」
そう言って殺姫は意識を精神の奥底に引っ込めた。
殺姫が主導を離れたことで、その身体は静かに眠りに着いた。
そんな彼女を俺は微笑みながら見送った。
《貴方も大変ね》
腕組をして呆れた表情をするナージャはそう言った。
「そうでもないさ」
そんなナージャに俺は苦笑いを浮かべ返答した。
《それにしても、殺姫が照れてる所、始めてみたわ》
眠る身体を見下ろしながら、ナージャが驚いたように呟いた。
それは俺も同感だった。
俺の“あの”性格と彼女の性格は殆どが似ている。
俺の性格で考えれば、俺はさっき彼女がしたような顔は出来ない。
だからだろうか。
彼女の事が無性に羨ましく思える。
俺が失った顔を持つ彼女が、とても・・・・・・。
そう思い、俺の表情が影を帯びた。
《ねぇ、貴方のデッキにも精霊が居るんでしょ? 会わせてよ》
今の俺の心情を知る由もないナージャが無邪気に訊ねてきた。
俺は表情から影を消し去り、笑顔でナージャに答えた。
「ごめんな、今は無理なんだ。でも、近いうちに会わせてあげるよ」
《え〜、うぅ〜、わかった》
俺の言葉に目に見えて落胆するナージャだが、直ぐに聞き分けてくれた。
そんなナージャの頭を俺は撫でた。
水の様に透き通る身体。
その感触の無い頭の撫でると、ナージャは擽ったそうに笑った。
《じゃ、アタシも消えるね? じゃあねぇ〜》
そう言ってナージャは空中からその姿を消した。
俺の周りに沈黙が戻った。
しかし、困った状態だ。
PADの時計を見ると、実技試験までかなり時間がある。
どうやって時間を潰そう。
実技試験までの時間、どう過ごすか俺は悩んだ。
すると、俺の頭にある事が浮かび上がった。
それは、俺が常備している本の存在だった。
俺は空いた時間、暇にならないように本と音楽プレーヤーを常に持ち歩いている。
その事を思い出した俺は、ポケットから一冊の本を取り出した。
本屋のブックカバーで覆われた表紙を開き、俺は文字の羅列に目を落とした。
side out
side 三人称
雪鷹が本を読み進めてから早四十分が経った。
「うっ」
小さな唸り声を上げアヤメが目を覚ました。
「ここは・・・・」
見知らぬ天井を、アヤメはぼんやりと見上げた。
ペラッ
不意
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